大精霊、話す
『イルゼちゃんとは別の意味で化け物じゃん』
「あ、またお姉ちゃんの名前だした! 知り合い?」
イルゼちゃんには眠たそうにしながらも身体の中にある尋常じゃない魔力量からくる圧があった。そしてこの目の前にいるエンシェントエルフもまたイルゼちゃんとは違う変な圧がある。
『まず自己紹介しない?』
「ファルゼだよ!」
全く警戒してないなこのエルフ⁉︎
もし僕が呪いをかけたりする精霊だったら名前を言っちゃう時点でアウトなんだけど⁉︎
いや、でもなんか僕の闇魔法が効かなさそうなくらい明るいしなぁ。
「で、あなた誰?」
『え、僕はフィオニキスって言うんだけど……』
「長いね!」
『短いよ⁉︎』
「フィオって呼んでいい?」
『心の距離を縮めようとするのが早すぎる!』
この子、めっちゃグイグイくるなぁ。
ついでにめちゃくちゃ自然に間合い潰されたよね?
『ファルゼはなんでこんな所にいるの?』
普通、エンシェントエルフがこんな所に一人でいるなんておかしいよ。いや、エンシェントエルフだからこそ魔獣がいても返り討ちにできるんだろうけどさ。
「お姉ちゃんに吹っ飛ばされて帰り道もお姉ちゃんのとこにいく道もわからなくなったんだ!」
『そ、そっか……』
吹っ飛ばされたってどう言う事⁉︎
僕意味が全くわからないんだけどエンシェントエルフでは家族を投げ飛ばすのが当たり前なの⁉︎
「お姉ちゃんどこ?」
『君のお姉ちゃんとは話はしたけど近くにはいないよ?』
「え、役立たず?」
『口が悪いね⁉︎ 一応大精霊なんだけど⁉︎』
大精霊ってもっと敬われるような存在なんだけどねぇ。
このエルフには全く精霊に対する敬意がないよ。
「だって大精霊ってソラウと同じくらいでしょ? だったらファルゼには勝てないんじゃないかなぁ」
え、ソラウちゃんに勝てちゃうの? ただのエンシェントエルフが?
表情を伺って見てもウソを言ってるような感じがしない。つまり本気?
『本気?』
「試す?」
『いや、いい』
ファルゼが軽く拳を作り、振るう。
うん、音がやばいし拳が見えない。加えてなんか魔力を吸われているような感覚がある。これはソラウちゃんに勝てると言うのも嘘じゃないかもしれない。
つまり使える!
『イルゼちゃんのとこに連れて行ってあげてもいいよ』
「ホント⁉︎」
「ホントホント、だからさ……」
僕と契約しない?
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