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大精霊、出会う

 

『んーん! 順調順調』


 夜が明けるか開けないかの微妙な時間帯の空に宙をゆらゆらと揺れながら飛ぶ僕、闇の大精霊フィオニキスの上機嫌な声が響く。

 闇の宝珠に蓄えた魔力は充分。時間操作や死んだ者を生き返らせるなどの禁呪レベルの物を使わない限りは魔力が無くなることはないだろう。


『人の夢を叶え続けたかいがあったというものだよ』


 人の願いが叶う瞬間にその人を絶望の底に叩き落として魔力を得る闇の宝玉を使って魔力を集めてきたかいがあるというものだよね。ま、人のあの裏切られたというような顔を見るのが楽しみな僕としては趣味、いや、ライフワークといっても過言じゃない!


『そろそろこの魔力を使って世界を面白おかしく、いや、大精霊の使命を果たさないとね』


 大精霊となった精霊にはそれぞれ使命みたいな物がある。

 僕の司る闇は世界の混沌! 世界にどんな悪戯をしても僕は許されてる! 流石に世界を壊したりはしないけどね。


『ソラウちゃんをいじるついでにあの契約者ちゃんても遊んでもらおう!』


 大精霊の中でもソラウちゃんは僕と唯一まともに遊んでくれるしね! その契約者も帝国で遊んでた時に初めて会ったけどかなり面白い子だったし。あれもまた揶揄いがいがあるエンシェントエルフだった。加えてエンシェントドラゴンまでいる。

 これはもう全力で揶揄うしかないね!


『確かイルゼちゃんだったかなぁ』


 頑張ってソラウちゃんの契約者の名前を頑張って思い出す。周りにいた精霊が確かそんな名前を言ってた気がする。よく思い出したら自己紹介されてないよね?


「お姉ちゃんの名前が聞こえた!」


 どうやって巻き込もうかと考えているといきなり首を掴まれて視界が一瞬で空から地面へと切り替わった。え、何⁉︎ ボク空を飛んでたんだけど⁉︎

 混乱している間にも視界に広がる地面が迫ってきてる。

 これ、落下してる⁉︎


『この!』


 状況がわからないけどこのままだとまずい! 魔力を全身から噴射して地面に激突することを防ぐ。さらにボクの首を掴んでる奴の腕へと魔力を叩き込む。


「わっ」


 魔力が叩き込まれた衝撃に驚いたようにボクの首を掴んでいた手が離れる。

 離れた瞬間に更に全身から魔力を放ち、姿勢を正す。おかしいよ! ボクの魔力食らって悲鳴を上げるだけ? いや、体の原型がある⁉︎


「お姉ちゃんの知り合い?」

『お姉ちゃんがだれかわからないなぁ』


 全身に魔力を巡らせながら目の前のよくわからないのと対峙する。

 見た目は完璧にソラウちゃんの契約者のイルゼちゃんだよね?

 ただ、イルゼちゃんが眠たげな顔をしてるのに対してこっちはなんか元気いっぱいだ。

 魔力の質も違う感じだ。

 イルゼちゃんそっくりのおそらくはエンシェントエルフがまるで匂いを嗅ぐようなボクの周りをグルグルと周ってる。まるで敵意がないからどうしたらいいか困るね。


「お姉ちゃんの匂いがする!」

『エルフの形をした犬かい?』


 おそらくはお姉ちゃんというのがイルゼちゃんな気がする。だってイルゼちゃんにそっくりだし? しかも匂いが本当かどうかはわからないけど最近あったエンシェントエルフってイルゼちゃんしかいないし?

 いや、それよりもイルゼちゃんにあったの何ヶ月も前だよね? 本当に匂いを感知してるとしたらどんな鼻してるの⁉︎

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― 新着の感想 ―
[一言] うわっ、やってきましたね。
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