エルフ、渡されてる
「とりあえず私が魔力を流しちゃえば動くんでしょ?」
『まあ、そうなんじゃが…… なんか負けた気がするのう』
せっかく解決案を出してあげたのに何故かソラウは嫌そうな顔をする。動かないより動く方がいいに決まってるのになぜ?
『ぶっちゃけた話、現状は完璧に動かせるのはお主だけじゃからのう。一人しか動かせん物なんて欠陥品じゃろ?』
「そうなの? 魔導具ってそんな物じゃないの?」
『のろわれてるとそんなかんじ?』
『ふつうはだれでもつかえるみたいな?』
『まりょくすいつくされてしんじゃうこともあるよ!』
呪われてたり、魔力を吸い尽くされて死ぬとか物騒だなぁ。
『いや、お主の持っとるのも大概じゃぞ? 精霊樹剣にヘルムダートなんかも持つだけなら問題ないじゃろうが、普通の人が起させれば一瞬で魔力を吸い尽くされて死ぬぞ?』
『ときちゅーです!』
やっぱり精霊さんは私に呪いの装備を渡してたんだね。まあ、便利だし、デメリットも今の所ないから問題ないんだけどさ。
あ、でも簡単に敵を倒すなら精霊樹剣を使わせたらいいのかもしれない。
呪いで殺せる。しかも私は何もしなくていい。完璧じゃない?
「まあ、魔導具はどうでもいいんだよ。それより城を飛ばすならさっさとしよう」
魔力をちまちまと取られ続けるのも面倒だし、さっさと飛ばしてしまおう。その場合、精霊さん達がまた別の碌でもない物を作る事に興味を持ってしまうかもしれないけど普通に作る分に関してならば私の意識を飛ばすほどの魔力を持っていくことはないはずだし。
『ぐぬぬ、仕方ないか。改良はまた今度にするのじゃ。時間もないしのう』
「なに? 制限時間でもあるの?」
『制限時間というか我の勘ではそろそろ動くんじゃないかと思っとる』
「動く?」
首を傾げながら尋ねる。何が動くっていうんだろう。
『大精霊フィオニキスが動くんじゃよ。絶対に碌でもない事が起こるぞ?』
「あー」
ああ、あの迷惑さんかぁ。
あの大精霊さんはあんまり関わりたくないなぁ。というか私の睡眠人生においては関わったら確実に睡眠時間が減るよね? まあ、世界のピンチでも私に害がなければ私には関係ない話だよ。世界のピンチはきっと物語に出てくるような勇者が解決してくれるはず。魔王がいたんだから勇者もいるに違いない。
……その魔王はなんかいつの間にかサロメディスと一緒に城に住み着いて精霊さん達と一緒に遊んでるみたいだけど。
『なんか他人事みたいな感じで考えておるのがわかるんじゃが、確実にお主にも関係あるぞ? なんか興味持たれておったしな』
「え、迷惑なんだけど⁉︎」
『お主は厄介なのを引き寄せるからのう』
そんな事聞きたくなかったよ!




