エルフ、雨をふらす
「絶対このダークエルフおかしい!」
飛んでくるというか、普通に空を駆けてくるダークエルフから魔力を噴射するヘルムダートで逃げる私は叫ぶ。
魔力はあると思う。でも小さい感じ。だけど感知してる魔力量ではどう考えてもできない現象を引き起こしてる!
まずは空を走ってる!
魔力も使ってる形跡がないのに普通に走ってる! しかもただ走るだけじゃない。ヘルムダートから放った魔力弾を普通に跳んで躱してる! 足場が! ない! 空中で⁉︎跳んで!
もう意味がわからない。
更には魔力弾を剣で斬ってる。魔力が少ししか纏ってない剣で!
確かにあの魔王の剣とかいうのは精霊さん達曰くいい剣らしいんだけど普通魔力を斬るなんてできないはずなんだけど⁉︎
それを斬ってる。なんか適当に振り回してるような感じで切ってるんだけどぉぉぉぉぉぉ!
「理不尽すぎる!」
「追いつかない」
ダークエルフさんがなんか悔しそうにしてるけどね。精霊樹からの魔力供給を受けてるヘルムダートが引き剥がせないってどういう事!
どんな身体能力してるの!
「この!」
ヘルムダートで空を舞いながら上昇。周囲に砲身を幾つも作り上げて下から駆けてくるダークエルフさんへと砲身を全て向ける。
向けている間にも空の至る所に砲身を量産。隙間なく空に浮かんだそれらから魔力弾を撃てば雨のように降り注ぎ回避なんて無理なはず!
「くらえ!」
合図と共に空には轟音。そして地上には魔力の雨が降り注いだ。
城が雨の範囲内に入ってるけど仕方ない。後で精霊樹の魔力とダンジョンコアの力を使ってイーリンスにバレない内に直そう。
そんな事を考えて地上というかこちらに向かって来ていたダークエルフさんに向かって落ちていく魔力弾を眺めていた。
これがファルゼなら食らっても無傷だからと笑いながら突っ込んできて拳を振り上げているところだよ。
が、どうやらダークエルフさんを私は舐めていたようだ。
雨のように降り注ぐ魔力弾をダークエルフさんは上昇する速度を緩める事なく、まるで踊るように躱す。当たりそうな魔力弾は持っている剣で軌道を逸らす。
まるで魔力弾の雨なんて無意味だった。
「私の周りには理不尽が多すぎるんだよ!」
砲身を作って魔力弾を降らせるためにヘルムダートの動きは完全に停止している。
そんな中、ダークエルフさんは動きを全く鈍らせる事なく私へと向かい突っ込んでくるんだから当然距離は詰まる。
ダークエルフさんが手にしている剣を振りかぶり、私も指輪を精霊樹剣へと戻し柄を握ると魔力を一気に注ぎ込む。もうこれでもかっていうくらいに注ぎ込む!
なんか精霊樹剣が嫌な音がしてるけどそのまま精霊樹剣をダークエルフさんへと振り下ろす。振り下ろされた精霊樹剣はダークエルフさんが振り上げてきた剣と交差し、とんでもない爆発を引き起こしたのだった。
次回4月26日更新予定




