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精霊樹のエルフは働かない  作者: るーるー
魔王、遊びにくる編
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魔王、参戦する


 炎の鳥が空を舞い、筋肉が爆散させる。

 空はとんでもない状況だ。

 マカーレフとターナトスの主だった活躍により空に展開されていた兵器の数も減りつつある。

 幹部の奮戦がなかったら魔王軍、壊走してたわね。そう確信するほどに幹部陣の働きは凄かった。

 そんな幹部よりもさらにエグい力を見せているのが魔王様なわけなんだけど。


「んー?」


 何気なく拾った小石をただ投げる。しかも適当に。ただ投じただけのそれは周囲に衝撃波を撒き散らし、さらには宙に浮かぶ兵器に当たると爆散させる。しかも投げた小石が形を保っていれば貫通までしてさらに破壊するというおまけ付き。


「さすがです魔王様!」


 やはり魔王様は凄すぎるわ。

 魔王軍が束になってかかったも勝てる気がしない。

 そしてやはり戦う魔王様の姿は美しいわ!

 ドクターに作ってもらった姿絵を作り出す魔導具を持ってこなかったことが悔やまれるわ!

 といっても魔王様は積極的に戦闘に参加しているわけではない。

 なんとなく目についたのを落とす、という動作を繰り返してるだけみたい。

 それだけでもかなり助かるんだけどね。

 そして空いた時間は何やら手をじっと眺めてる。まるで何かを確かめるかのように。


「魔王様、どうしたんですか?」


 普段魔王様がしない動作が気になり声を掛ける。


「んー、全員引かして?」

「え?」


 魔王様の言葉に私は耳を疑う。

 あれほど世界樹に向かうのを楽しみにしていたにそれを諦めるというの?

 いや、諦めるなんて魔王様らしくない。


「ああ、単純に試したいだけだから。前にいると……」


 魔王様が先程までは何もなかった、そして今は見ていて背筋が震えそうになるほどの悍ましい黒い魔力を纏った手を天に掲げる。


「消えちゃうよ?」

「全軍、後退!」


 悪寒が走ると同時に私は全軍に指示を出す。私の少しばかり焦った様子の指示に少しばかり戸惑った様子を見せていたがそれでも指示に従い魔王軍は後退を始める。

 それをまるでチャンスと見たと言わんばかりに空中に漂う兵器が攻撃を激化させてくる。


「こい」


 魔王様が短く何かに命令する。

 それに応えるかのように魔王様の手に纏われていた黒い魔力が形を作り、その手には一本の黒い直剣が握られていた。


「あれは、私が盗られた剣⁉︎」


 魔王様の手にあるのは以前、この森に来た時にエルフに奪われた魔王様から頂いた剣だ。

 それが何故魔王様の手に?


「やっぱりきた。なんかこの森に入った時から何かが繋がってる感じだったし」


 手元に収まった黒剣を魔王様は興味深そうに眺めているけど、あれってエルフが召喚の媒体にしてたはず。だから所有権はあのエルフにあるはず、それを喚び寄せた? どうやって?

 ……さすが魔王様!

 魔王様は規格外だもの。深く考えたらダメよ私!


「じゃ、使うよ」


 魔王様が手に収まっていた黒剣を構え、それを無造作に空に向けて振り払った。

 その軌跡をなぞるように黒い線が宙を飛ぶ。

 黒い線が空に展開されている兵器に当たった瞬間、まるで飲み込まれるかのように兵器が姿を消す。黒い線は一つの兵器を潰しただけでは消えず、更に後ろにある兵器も呑み込み、消していく。

 それを確認した魔王様は更に無造作に剣を振るい黒い線を量産、魔王軍が苦戦していた兵器をまるで虫を払うような気軽さで叩き潰していく。

 魔王軍幹部が総当たりで当たっていた兵器が一撃で消えていく、やはり魔王様は凄い!


「効率が悪い」


 何やら結果が気に入らなかったらしい魔王様が剣を振うのを止め、剣の切っ先を兵器へと向ける。


「伸びろ」


 短く命じた言葉に従うように剣の切っ先から黒い魔力で作られた刃が宙に浮かぶ兵器へと向かい一瞬で伸びると軽々と貫通。そしてまた瞬きをする間に魔力の刃は消え、兵器は墜落していった。

 兵器が墜落していくのを見届ける事なく魔王様は切っ先をまだ浮かぶ兵器へと向け、再び魔力の刃を伸ばす。


「これ、俺達がいる意味ないよね」


 ハクが苦笑いを浮かべながら誰もが胸中に浮かべていたことを代弁する。

 その間にも魔王様は次々と兵器を撃破していくのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] さすがに魔王は手強いでしょうか。
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