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精霊樹のエルフは働かない  作者: るーるー
お客様襲来編
335/429

植物、声を出す

 

『じゃまだってぇぇぇ!』


 子供の癇癪のようにハッピーベールが怒鳴り、今まで以上の魔力が全身から放出される。それだけで空気に衝撃が伝わるのか私達の周りもビリビリしてる。

 そして今まで以上の魔力を叩きつけられたハッピーベールを拘束しようとしていた植物はというと床ごと消し飛ばされてた。

 なんか大元が吹き飛ばされたのから床から植物が生えてくる様子も見られない。


『次、わたしの番だよ!』


 ハッピーベールが両手の斧に先程と同じように魔力を注ぎ込み、構えた。そしてその斧を振りかぶろうとし、


 バクッ! という音と同時に消失した。


『え?』


 柄だけを残して刃を失った斧をハッピーベールが驚愕の表情で見つめている。

 そりゃ手にしてたのがいきなり消えたらね? でもどうやって消したんだろ?


『そんな間抜けな顔をしてる場合? あたしの植物は待ってくれないわよ?』


 威圧感を発する声の主はイーリンス。

 この場にいる全員がイーリンスへと視線を集められ、そして目を見開いた。

 イーリンスの周りには巨大な植物が至る所にあったんだから。しかもそのどれもが今まで見た事ない植物だ。さらには巨大植物なのになんでも飲み込みそうな涎を垂らしてるでかい口に、なんでも砕きそうな鋭い歯まである。

 垂らした涎に至っては地面を溶かしたりしてる。


「ギャギャギャギャギャ!」


 極め付けは恐ろしい不気味な声を発してる事だよ。あれはすでに植物じゃないよ!

 植物の形をした化け物だよ。


『でたな』

『いーちゃんのエグい魔法っすよね。植物に意志を宿らせて動かすなんて普通考えないっすよ』

「あれは私の知る植物じゃないんだけど?」

『あれはイーリンスが精霊界で創った特別製じゃからな』

『あれが庭にあるいーちゃんの家は魔境っすよ、魔境。そしてそれを愛おしそうに育ててるいーちゃんもやばいっす』


 なにそれ怖い……

 あんな気持ち悪い声が響く庭とかただのホラーだよ。そんなのの近くの家に住むとか罰ゲームだよ。もしかして、城の周りにも埋められてたりするの? あんなの夜中にでも見たら泣くよ⁉︎


『いや、あの植物はマジでやばいんじゃ』

『いーちゃんが大精霊候補に挙げられたのはあの植物の異常さにあるっすからね』

「なんなのあの植物……」


 若干顔色が悪くなった様子のソラウとテナールに私は首を傾げながら尋ねる。

 確かに化け物じみた形をした植物だけど大精霊であるソラウがビビるような強さには見えないんだけど?


『見ておればわかる』


 そうソラウは告げるだけで何も教えてくれる様子が見られない。

 仕方がないので私は対峙するハッピーベールとイーリンスへと視線を戻す。

 視線を戻すとすでにハッピーベールは再び魔力を全身に漲らせていた。

 柄だけになった斧はすでに何処かに放り投げたみたいた。

 そしてハッピーベールの姿が消える。私の目には全く見えないんだけど多分、高速で移動しているんだと思う。

 イーリンスと不気味な植物を囲むように砂埃が上がってるから周りを走り回ってるのかな?

 しかし、また何かを食べるような爆音が響く。そうすると普通に私にも見える速度で走っているハッピーベールの姿が目に入った。

 なんで急に速度落としたの? 作戦?


『あれ?』

『そんな速さでは遅すぎますよ?』


 自分の速度が急に下がったことに首を傾げているハッピーベール。あの様子だと何かをしたって感じじゃない。

 イーリンスが何かをしたのは確かなんだけど私も何をしたのか全くわからないし。

 でもイーリンスはそんな疑問に答えることなく、冷酷な笑みを浮かべたまま新たな巨大植物をハッピーベールへと繰り出すのだった。

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― 新着の感想 ―
[一言] やばいの連続ですねー。
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