高位精霊、のる
『よりにもよって精霊を創り出すなんて…… いや、たまたま生まれる精霊に身体を与えたって感じよね』
精霊さん達が少女精霊と話している間にどうやらイーリンスは状況を把握したらしい。あとでいいから詳しく聞こう。
『ソラウ様、あれは拘束されるのでは?』
私達がいる方へと視線を向けてイーリンスが尋ねてくる。
あ、私達がいる事はわかってたんだね。
そして普通なら届かない距離でも声が聞こえる。精霊が凄いのかエルフ耳が凄いのか微妙なとこだね。
『難しい所じゃな』
尋ねられたソラウはというと椅子に座ったまま腕を組み、難しそうな顔をしていた。
『大精霊法案としては生まれた精霊に肉体を与えてはいけないという違反はない。精霊や人間などを創り出すといった行為ならば確実にアウトなんじゃろうが、魂のない肉体に精霊が入ったというならどうなのかわからんな。テナールの匙加減一つじゃ』
いや、私が知るあの大精霊なら楽しそうだからとか言って笑いながらOKを出しそうなんだけど?
『じゃが、我としてもあの精霊のスペックに興味があるのう』
「意外だね? 興味ないと思ったけど』
『精霊供の口ぶりからお主とファルゼの遺伝子から作られた肉体、しかも確実に精霊供が手を加えとる肉体じゃ。大精霊のように特殊な属性、能力を持っていてもおかしくない。普通に考えれば感じる魔力の大きさひとつを取っても大精霊候補に上がっている力を制限しとるイーリンスで勝てるようなスペックではないからのう』
「ふーん」
なるほど? いでんしってなんだろう。
あと難しいことはイルゼわからない!
『というわけでイーリンス、あやつの力を探る意味でもちょっと戦ってみるのじゃ』
『えぇ、弱い者いじめになりません?』
『ならんな。むしろ我が見た感じではお主の方が弱い者になるぞ?』
挑発するように笑ったソラウの表情に少しばかりイラついたのかイーリンスの表情が歪む。
イーリンスがそんな簡単に挑発に乗るわけないよね?
『いいでしょう。あたしも大精霊候補です。いきなり現れた精霊なんかに負けないという事を見せつけてやりますよ!』
あっさり乗ったぁぁぁ⁉︎
そんなあっさりとでいいの⁉︎
『楽しそうだから自分も協力してあげるっス』
イーリンスがやる気、魔力を共に満ち溢れさせていると胡散臭い感じの声が耳に届いた。
声の方を振り返ると、そこには真ん中で色を分けた奇抜な服を着た大精霊テナールが楽しげにいつの間にか自分で準備したらしい椅子に座っていた




