エルフ、ねじ伏せる
「力でねじ伏せる」
腕を振るい、合図を出した事によりヘルムダートが砲身から魔力弾を発射する。先程の体が強化されていない状態のファルゼであれば軽々と地面へ転がす事ができたであろう一撃だ。
「むん!」
その一撃をファルゼは裏拳で弾く。
いや、まあ、わかってはいたけどね。
魔力がなかったからこそダメージを喰らってたわけで何かを食べたことによって体を強化する分の魔力を得たファルゼにはダメージが入らない。
はぁ、面倒だなぁ。
「めんどくさい」
とりあえず魔力弾をひたすらに連射しておく。ひたすらに数で蹂躙する!
「てい! てや!」
ファルゼは両手を使って魔力弾を弾いているわけだけど、やはり初めのような目で追えない速さではない。理由はわからないけどあの掌に現れた口は魔法を吸収するというのには向いてないのかな?
それでもさっき逃げ回っていた時よりも動きが素早いから判断がつけにくい。
ただ、魔力弾の連射はどうやら無意味というわけではないみたいだ。
「うーん?」
撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つ撃つひたすらに撃つ。
ファルゼなら飛び込んでくると思ったけどファルゼは動けてない。というか動けない。
ファルゼの動きは徐々に悪くなってきてるし、魔力弾がぶつかる回数も増えてきてる。たまにファルゼの奴が焦ったかのように私のいる高さまで飛んでくるけどそれは威力を上げて更に範囲を大きくした逃げれないようにした魔力弾を空から雨のように降らして叩きつける事で地面へと押し戻しておく。
「くそぉ!」
地面にめり込み、ボロボロになりながらもファルゼが毒付く。
「あの能力あんまり強くない?」
周囲の魔力を吸収するファルゼ自身の能力は私のダンジョンコアの魔力を私へと供給する力でほぼ封じてる。私が放った魔法も吸収はできてるみたいだけど大して吸収できてない。あの掌の口はソラウの言ってる事が確かなら物を魔力に変換できるみたいだけど、さっき食べた土を魔力へと変えただけではファルゼの身体強化を維持するには足りないみたい。変換率も悪そうだしね。
つまり、あの掌の口で食べた土を変えた魔力でファルゼは体の能力をギリギリ向上さしているってわけだ。そこに私の魔力弾を吸収した分を足しても魔力弾の雨に撃たれて続けていたら消耗の方が大きいんだろう。
『じゃから大丈夫じゃと言ったじゃろ?』
「いや、ファルゼだから安心できない!」
『……実の妹に怯えすぎじゃろ』
怯えてるんじゃない。これからの安眠のためにもファルゼはここである程度は潰しとかないといけない。じゃないと人が寝てるベッドの中にいつの間にか潜り込んできたり、抱きついてきて私の体の骨という骨を折りかねないんだから!
「エルフの里までぶっ飛ばす」
そしてこの城に来れないように強力な結界を張ってやるんだから!




