エルフ、設定する
「あぁ、理不尽。理不尽だよ。同じエルフなのにぃ」
こっちには大した魔力がないのに向こうは魔力も無いのによくわからない力で私の魔力を切り裂いてくるわけだし。
まあ、魔力は精霊樹があるから幾らでも引っ張ってこれるから魔力切れとかはないんだけどね。
「めんどくさい」
戦うのがめんどくさい。というかファルゼを相手にするのが面倒。
つまりは、
「戦うのはやめやめ」
そう、戦うのはやめ。もう面倒だし。
だから戦わないで勝つ。というか二度と手出しができないようにしておく。
「ファルゼ、面倒だから潰すよ? ちょっと頑張らないと死ぬからね?」
「お姉ちゃんの攻撃じゃ私、死なないよ?」
キョトンとしたファルゼだけど確かに今のままなら私の攻撃ではファルゼは死なない。せいぜい怪我くらいかな。
でもそれはあくまでも今の環境下だったらの話。
この魔力で満ち溢れている精霊樹の周辺だからこそファルゼはあれだけの力が出せるんだろうし。
だったら魔力を無くしちゃえばいいんだよね。
「魔力カット。供給を私だけに」
精霊樹が自然に周りへと放ってる魔力を全てを私のヘルムダートへと注ぐように命じる。
更には周りの空間に残存してる魔力もダンジョンコアの設定をいじる事でヘルムダートが吸収していく。
「あれ?」
周りの魔力が無くなった事で身体能力が下がったからかファルゼの奴が違和感を感じたような様子だ。
やっぱり周りの魔力も吸収して能力を上げてたみたいだね。
まあ、吸収する魔力なんて微塵も残さないけどね。
『あー』
『ちからがぁ』
『ぬけてくー』
『しおしお』
当然、魔力を糧にしている精霊さん達にも影響がでる。例えるなら今まで吸ってた空気がいきなり薄くなるような感じ?
だから萎れるみたいな感じで精霊さん達は地面にゆらゆらと落下していた。
対していつの間にか私の側に来ていたソラウはというとあんまり影響を受けてないような感じだ。
『我は大精霊じゃからな。魔力が周りから無くなっても貯蓄しとる魔力があるからのう』
「なれほど」
精霊さん達は貯蓄できる魔力が少ないから萎れてるわけか。
そしてそれは魔力を全く持たない吸収するだけのファルゼにも適応される。
「さて、今度は逃げれるかなぁ?」
砲身を再びファルゼへと向ける今の私はきっと邪悪な笑みを浮かべている事だろう。
今まで周りに満ちていた魔力を吸収して強化していた体も周りに魔力がない今は強化されてない状態なわけだ。つまりは素の状態! やりたい放題なわけだ!
さらに大量に流れ込んでくる魔力を流し込んでヘルムダートの砲身を増やす、増やす! 増やす!
「お、お姉ちゃん?」
ヘルムダートの下に大量の砲門が作られていくのを見て、どうやら危機感を感じ始めたらしいファルゼが冷や汗みたいなのを流してる。だけど私には関係ないよね?
「今までの安眠できなかった恨みを思い知れ」
私の恨みが篭った砲身が今、火を噴いた。




