大精霊、指示を出す
『おお、なかなかに大盛況じゃな』
城から飛び出した我は帝国を一望できる高さまで上がり、空を漂いながら呟いた。
この場合の盛況というのは一言で言うなら「帝国大★混★乱!」みたいな感じじゃ。
ボロボロの城の近くには内臓魔力がやたらと真っ黒なでかくて巨大な魔獣みたいな奴が暴れとる。
それを精霊達が周りを飛び回りながら手にした武器や魔法で攻撃をして吹き飛ばしておるが魔獣の一部を吹き飛ばしてもすぐに再生しとるようじゃな。
そうなると精霊達に魔力を供給しているイルゼが魔力切れのため精霊達には相性が悪いと見える。
さらに帝国のあちこちに巨大な魔獣から生み出されたらしい小さな魔獣やアヴェイロンの森で見たことのある魔獣がアンデッド化したのまでちらほら見える。
こちらは帝国の騎士や魔法使いが相手をしておるようじゃが荷が重そうじゃが、なんか頭ひとつ分くらい抜けて強い奴らが四人おるのう。
一人は廃墟の城に。残りの三人は街中を駆け回っておるようじゃ。これは剣聖とかいうやつじゃな。
『あれは確かレオンじゃったか?』
城にいるっぽいのは依然イルゼに会いに来たレオンとかいう奴じゃったか。
あやつが城にいるならすぐに城が落ちるということはなかろう。なにせレオンの側にはフィズの魔力の気配もあるしのう。
問題は目の前の魔力の塊と言える魔獣と街に大量発生しておる小型の魔獣じゃ。
『チビども集合じゃ!』
声に魔力を乗せて大声を出す。
魔力に敏感である精霊達はそれだけで声を出したのが我だと把握する。
『あ、そらうさまだ』
『せいれいかいでばつうけてるんじゃなかったの?』
『もうすこしせいれいかいでもいいんだよ?』
『ざんねーん』
どいつもこいつも労いの言葉とか一切なしかい!
いや、わかってたけど寂しいもんじゃよ。
『それはどうでもいい。そんなことよりさっさとあの訳のわからんのを叩き潰すぞ』
我は暴れ回るでかい魔獣を指差しながら宣言する。
『そうしたいけどねー』
『いるぜのまりょくからだし』
『ぼくらのまりょくもすくなーい』
精霊達が口々に抗議してくる。
まあ、イルゼの魔力によるバックアップがなければまだ小精霊である小奴等では大したことはできんじゃろう。
じゃが小さい魔獣なら軽々とあしらえるくらいの力はある。
『でかいのは我がやる。じゃから街におる小さいのはお主らに任せる』
『むー』
『しかたない』
『こんかいはそらうさまにゆずる』
『これでかったとおもうなよ! てきな?』
なんかよくわからん捨て台詞みたいなのを残して了承した精霊達は街に向かって飛び去って行った。
さて、これで問題は目の前のデカブツだけじゃな。
我は挨拶がわりに巨大な氷の槍を叩きつけてやった。




