エルフ、放出する
精霊樹剣が怪しく輝く。
しかも精霊さん達に魔力を分けてる時とは比較にならないくらいの勢いで魔力を吸われてるよ!
「やばいやばいやばい」
すでに目の前にいるスケルトンドラゴンなんて目じゃないくらいに精霊樹剣の危険度が上がってる。
私の魔力を吸い上げるたびに黒い刃がカタカタと音を出して震えてるし、あとなんか光みたいなのも発生して剣を覆い始めてる。それを振り払おうと適当に振り回すと攻撃してきたスケルトンドラゴンの体の一部がまた吹き飛んだ、いや、消し飛んだ?
「GROOOO⁉︎」
攻撃した側のスケルトンドラゴンが攻撃が防がれたどころか反撃を食らった事に驚愕するように咆哮を上げる。
この剣を覆ってる光に触れると消し飛ぶ感じ? これ持ってる私は大丈夫なの? 今のところは吹き飛んでないからといって安心できないのが精霊さんの作品だ。
心配している間にも私の魔力はガンガン減ってる。これはもうさっさとやって精霊樹剣を鞘に収めるしかなさそう。
「精霊樹剣解放」
精霊樹剣を鞘から引き抜いた時から頭に浮かんでいたキーワードを口に出し唱える。
多分、精霊樹剣の能力を解放するための言葉なんだろう。まるで使い方がわかるかのようにずっと頭の中に浮かんでた。
手っ取り早く全てを終わらせるために私は特に深く考えることなく唱えたことに後に後悔した。
唱えたら精霊樹剣の細かな震えが止まり、光の噴出が爆発的に増えた。
「ひぃ⁉︎」
噴出する光が剣を覆う密度を増して巨大な剣となってる。同時にこのまま手にしていると危険というエルフの直感が発動。吸い上げられてる魔力は魔力が少ない私にとっては致命傷になり得る量だ。もたもたしてると死ぬ! なんて軽率な行動をしたんだ私!
その危険度がスケルトンドラゴンにもわかったらしく、スケルトンドラゴンは距離を取るように後ろへと下がった。
私はというとその使い方がわからないので直感に従うように手にして精霊樹剣を大きく振り上げ、スケルトンドラゴンと距離が離れているにも関わらず精霊樹剣を勢いよく振り下ろした。
そう、勢いよく!
精霊樹剣を覆っていた光が私の振り下ろしと共に放出される。
それがスケルトンドラゴンに向かってなら全く問題なかった。
「あ、やっばぁ」
『ほうしゅつさきはまだまだちょうせいがいるね』
『こんごのかだい』
『かいぜんてーん』
でも光が向かったのは振り下ろした先じゃなくて、振り下ろした先の横。つまりは、真横。そこにあったのは当然お城。
光の塊が叩き込まれた城の一角はあっさりと、なんの抵抗もなく吹き飛んだのだった。




