エルフ、入る
「おーでっかいね」
『きらきらー』
『まぶちー』
『おかねのにおいがするよー』
精霊さんが持ってきた紙に興味を持った私と精霊さんは紙に書かれている場所までやってきて目の前にある大きな建物に感嘆の声を上げていた。
とにかくでかい。そしてキラキラしている。それが目に入る印象だ。
あとなんか建物の周りに明らかに普通の人とは違う感じのする人が沢山いる気がする。
この人達の服装もキラキラだ。あまり凝視していると眼が痛くなるくらいにキラキラだ。
「カジノってなに?」
『おとなのしゃこうばってかいてるよー』
『ゆめがかなうばしょともかもかいてるね』
しゃかうば? 夢が叶う場所? よくわかりません。
しばらく外から観察してみましたけど別に服装に関して何かを言ってるような感じじゃないようです。
とりあえず中に入ってみよう。
そう決めた私は精霊さん達と共に入ることにした。
入り口で止められる事もなくすんなりと中に入れた。そして建物の中には熱気が満ちていた。
「なんかみんな目の色が違うね」
『ぎらぎらー』
『これがよくぼうのいろー』
欲望の色。言い得て妙ですね。
「赤、赤にこい!」
「なんで黒なんだよぉ⁉︎」
なんかボールが回っている所にはやたらと人が集まって熱狂してます。
興味が湧いたのでそちらへと近づいていき、人垣を掻き分けてみんなが熱中している物を目にします。
「これは?」
「ふむ。ルーレットは初めて見るのかね?」
私が興味津々に覗き込んでいたのを見たのか横にいたパリッとしたような服装をした男性が話しかけてきた。やっぱり眼がチカチカする服装です。
なんでしょう…… この建物に入る人の目を潰したいんでしょうか?
「初めても何もカジノとやらに来たのも初めてです」
エルフの里にはこんなキラキラした物ありませんでしたし。
あるのは森というか自然だけでしたし。人食いキノコとか。
「ふむ、あれは回っているボールがどこに入るかを当てるゲームだよ。ほら、赤と黒にわかれて数字が書いてあるだろ?」
「確かに」
ボールが回る遊戯台にはおじさんがいうように確かに色と数字が書かれています。
ボールが回り始めると遊戯台に書かれている色と数字が描かれたシートに周りにいる人たちが次々とコインを置いていきます。
やがてボールの勢いが弱くなり、小気味いい音を立てながらボールは色と数字の書かれたボックスに入った瞬間、歓声と悲鳴が上がっています。
「自分の賭けた所にボールが入ればコインが手に入ると言うわけですね」
『ふかーい』
『むずかしそー』
うーん、多分当てれるかなぁ?
とりあえずやってみようかなぁ。別に難しくなさそうだし。
「あのコインどうやったら手に入るんです?」
そう考えた私は横のおじさんに声をかけたのだった。




