大精霊、眺める
『のわぁぁぁぁ!』
いきなり何かがぶつかってきたかのような衝撃に、そんな物が来ると考えていなかった我の体は容易く吹き飛び、地面を数度転がり木へとぶつかる羽目となった。
『なんなんじゃ!』
『そらうさま、うしろにたってるとしょうげきでふきとぶよ?』
『それは普通は放つ前に言うもんじゃよね⁉︎』
断じてぶっ放して転がった後にいう物じゃないじゃろ。
よろよろと起き上がりながら精霊達がぶっ放した物の威力を見るべく視線を前へと向けると、放たれた物はゆっくりと煙というか魔力を背後から噴出し、徐々に速度を上げながら魔力壁へと進んでいきぶつかり、
『『『『ギャァァァァァァァァ!』』』』
突撃していた精霊達を軽々と薙ぎ払い、巻き込むような大爆発を引き起こした。というか火柱が上がっとる。
『ちゃくだーん』
『ばっちり』
いやいや! めちゃくちゃ巻き込んどるんじゃが⁉︎ 火柱で精霊の丸焼きが出来上がっとるし⁉︎ 何体かは精霊界に強制的に戻されとるぞ。
『ししゃかんりょー』
『じだんそーてん』
『はーい』
『ほんばんいきまーす』
肩から下ろした筒に精霊達がまた何かを込めておる。
そしてその横には同様の筒、ろけっとらんちゃーとかいう物を手にした精霊達が並んでいた。しかもかなりウキウキとした様子で……
よく見ればさっきまで杖を使って魔法を放っていた精霊もろけっとらんちゃーを手にしていた。
『そーてんかんりょー』
『しょうげきそなえ』
『うしろにそらうさまがいないかかくにーん』
何かを入れ終わったのか筒を持つ精霊が再び肩へと担ぎ、後ろの我を一斉に見てきた。さすがにあんな衝撃、二度目はごめんじゃ!
我は慌てて後ろに立たないように移動する。
『ふぁいやー!』
『ふぁいやー』
『ふぁいやー』
我の退避を確認すると精霊達が『ふぁいやー』と合唱しながら引き金を引く。
同時に先ほどまで我がいた場所の地面がろけっとらんちゃーの後ろから放たれたらしい衝撃波がぶつかり、巨大な穴を開けよった。
あれ、普通の人間が食らえば即死じゃな。
そうして再び魔力を噴射しながら放たれた物が宙を飛んだ。
『なんかさっきよりも速くないかのう?』
飛んでいく数も多いが先程とは明らかに飛んでいく速度が違う。
『まりょくいっぱいこめた』
『こめたらこめただけつよくなる』
『これがまほう「ろけっとらんちゃー」!』
武器の名前だったはずが魔法の名前になっとる。
じゃが、まあ、武器では発揮できる威力の領域を超えとるからのう。すでにこれは異世界の武器ろけっとらんちゃーではなく、魔法ろけっとらんちゃーなんじゃろな。
あと何発か打ち込めば魔力壁も砕けそうじゃし。
爆発と火柱上がるたびに精霊達が歓声を上げる様を我は諦めの境地で眺めるのじゃった。




