来客編、裏側 エルフ、驚く
なんなんですかこの森は⁉︎
至るとこから魔獣が湧いてきてますよ⁉︎
帝国領から災害の森に入って数日、もう何度目かわからない魔獣の襲撃です。
さすがに騎士団の方々や魔法使いの方々は慣れたようなもので迎撃に当たってますが、一般的に考えればこの襲撃回数は異常です。
皇帝陛下は危機感知能力が欠如していると考えてしまうくらいにケラケラ笑ってらっしゃいます。まあ、それは護衛であるレオン様を信頼されているからでしょう。
実際、レオン様の動きは他の騎士などとは格段に動きが違いますし、一振りで何体もの魔獣を吹き飛ばしたりしています。
あれが噂に聞く帝国の聖剣の力というやつでしょうか?
でも、魔力を凄い使ってるみたいで陛下がバッテリー扱いみたいです。
レオン様がなぎ払ってるうちになにやら神国の方々もこの森にいらっしゃったようで必死の形相でこちらに逃げてきてます。
そして瞬く間に皇帝陛下と聖女様に一時的な共同戦線が組まれたわけですが、そんな努力を嘲笑うかのように凄まじい魔力の塊が飛来しました。
現れたのは虹色に輝く乙女の像。
エルフの私の瞳には凄まじい程の魔力があの像から放たれているのがよく見えました。
「アン、あれやばくない? さっきまでの魔獣とかとは魔力量が桁違いなんだけど……」
「いう、魔力量というよりあの中に入っている精霊の数が尋常な数ではないのよ」
珍しくトロワが焦ったような口ぶりだったので逆に私は冷静になれました。
精霊が世界から姿を消してかなりの年月が経つというのにこの森にあれだけの精霊がいた事にも驚きです。
ですが更に驚くような出来事が次々に起こります。
虹色に輝く乙女の像は精霊が操っているのか嬉々として暴れ回り、帝国の騎士も神国の神官も平等に吹き飛ばしていきます。
辛うじてレオン様の攻撃が届くのと聖女様の結界のようなものが攻撃を防いではいますが時間の問題なような気がします。
虹色に輝く乙女の像、精霊曰く、精霊兵器カラミティは人型でありながら腕をいくつも作り出したり、武器を使い始めたことによりあっという間にレオン様が劣勢に立たされていきます。
ああ、これはまずいです。
レオン様が倒されるとなし崩しに帝国側である私とトロワまで一緒に殺される羽目になるのでは?
逃げようにもこの場を離れてもこの森から逃げれるような未来が全く見れません。
これは死にましたね。
そしてついにレオン様の手から聖剣が離れ、膝をついたその瞬間に諦めの境地にたどり着いていた私の目の前にあの方は爆音と共に姿を表したのでした。




