エルフ、めんどくさがる
「り、リリィ?」
自分の頭の上に突然姿を現した小鳥に驚いたような声をアリスさんが上げてる。
そりゃ、いきなり頭の上に現れたらそうなるよね。
『んん、やはりリリィか。精霊界に姿が見えんと思ったらこっちにおったのか』
そんな小鳥を見てソラウが口を開いた。
やっぱり精霊だったんだ。
『リィは精霊界なんて小さな場所に収まるような精霊じゃないのです! こっちの世界で修行をして今や上位精霊に匹敵する力を手に入れたです。というかどうしてソラウ様とイーリンス様がこちらにいらっしゃるのですか!』
すごい早口だなぁ。よく舌を噛まないものだ。
でも精霊さん達といい勝負してたと思うんだけど……
『我とイーリンスはこのイルゼと契約を交わしておるからのう』
『そ、ソラウ様が契約⁉︎ どんな物好きな方ですか⁉︎』
『お主、丁寧に話しておるつもりじゃろうがかなり無礼じゃからな?』
やっぱりソラウは精霊さん達の中でも色物枠だったのか。
いや、確かにソラウを見た後にイーリンスを見たら、イーリンスが凄く常識精霊に見えるもんね。
『そんなことより! 異議ですよ異議ありです!』
リリィがアリスさんの頭の周りを喚きながら飛び回ってた。あれはうるさそうだなぁ。
『で、どこに異議があるんじゃ? 既に三人とも不可侵条約で合意しておるじゃろ?』
『ありますよ!このままじゃ、リィの長い年月を掛けて作った国が属国扱いになるです!』
ん? そういう扱いになるの?
そんなの面倒だからやめてほしいんですけど。
『確かにソラウ様とイーリンス様、それにそこにいる子竜はかなりの力を持ってますし脅威です! ですがそれだけです!』
『いや、脅威なんじゃからそれだけということはないじゃろ』
「あのリリィ、落ち着いて? なんかいつもと口調違うよ?」
アリスさんが興奮した様子のリリィへと声を掛けているけどリリィに聞こえているかどうか怪しい。
こういう状態に陥っている精霊さん達は私の経験上、人の話を全く聞かない。
でも、この感じは私に害がなさそうだから放っておいてもいいかな?
『だからリィはそこのエルフに決闘を申し込むのです!』
おかしい、いきなり私に害が飛んできたよ?
『あー、発想がおかしいじゃろが。普通に考えれば大精霊たる我と契約しとる時点でイルゼの実力はわかるはずじゃろう?』
『ま、まぐれ?』
いや、確かに私の実力で大精霊と契約できたというのはかなりの運だったわけだけど、改めて他の人というか精霊に言われるとなんだか悲しくなるよ。
『ともかくです! リィの作った神国を預けるに足るか! それを確かめさせてもらうのです! だから決闘です!』
なにこの精霊、めんどくさい。




