親子対決
「まずは小手調べ『偽の氷像』」
氷の分身を作り、動かして戦わせる。
剣を生成し、振りかぶり切りかかる……
それを受け流し首を破壊する。
「うん、それじゃこれだ『幻影の罠』」
パチンと指を鳴らす。
首の折れた氷像が溶け出し、フブキを襲う。
「うわっ!?」
まとわりついた氷を剥がし、回避する。
「体の周りに雪でもまとっていたのかな?
随分とあっさり抜けるじゃないか」
「流石は氷魔王、手の内バレてる……」
「そうかもだな『氷剣錬成』」
「あ、『氷剣錬成』!」
まるで揺らめく炎のような形をした氷の剣……
「おもしろい!来い!」
「はあっ!」
フブキの剣を受け……氷を枝分かれさせ、刺す!
「……ん?」
剣が……動かない?
「やっぱりね!」
そのまま鬼の力に押し切られ……剣は砕かれ、鮮血を巻き散らかす。
結構な深手だな、たが、原理はわかった。
「……なるほどね?
俺の剣も自分の魔法として取り込んだな?
そのまま、自分の得意な『ひとつの形に固める』方に魔力をかけたな
枝分かれさせるには緻密で微小な魔力の操作がいる
それを上から押し付ければ……確かに剣は動かせない
うん、おもしろい、実に面白い対策法だ」
「はー、そんな方法で対応してきたかぁ、おもろいなぁ!」
嬉しそうにクツクツと笑うツバキ。
「こっちは切られたけど!?」
「どーせ氷結で血止めるんやろ?グダグダ言わん!」
「押忍……」
「ははっ、母さんは相変わらず豪快だねぇ
その分、父さんが冷静で厄介だね」
「んや、意外とネーヴェは熱血やで
感覚と直感と衝動で動くこともよくあるからな」
「まぁな、でも、無計画なわけじゃないからセーフだ」
「……今は冷静だしね」
「まぁね、でも、もうそろそろお遊びは終わりだよ」
「うん、私の……私の固有魔法、見ててね『氷魔王』」
「!固有魔法……ちゃんと封魔の指輪はつけてるか?」
「もちろん」
左手の中指を見せる。
雪のように白い肌に、無骨とも言える黒い指輪……
「なら、見せてみよ『氷鬼』」




