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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
世界が揺らぐ
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フェル&ガウラ対メーラル&ランバート ①

「行きましょう、メーラル」


「えぇ、行きましょうか、ランバート殿」


「……行っくよー!フェル!」


「承知!」


そう言い放つが否や、同時に弓をうち放つ。


「ランバート殿……アレを」


「はい、タイミングは私があわせます『世界の悪意(ワールドグラッジ)』」


「……ガウラ!」


「はーい!了解!」


すぐ近くの木を、魔力で伸ばした爪で斬り、壁にする。


「その程度なら……」


メーラルさんの矢が、丸太を破壊し突き進む……が。


「……私の能力、よく知ってますね」


「えぇ、障害物があると使えないのをよく理解しているようです……厄介ですね!」


それに、あの二人はメーラルさんの下でずっと一緒に修行をした言わば兄妹弟子。


息を合わせた行動、森での隠密術もなんのその……


「見事に気配が消えましたね」


「うん、なかなか上出来……ですが、自分の耳は誤魔化せませんよ」


矢を打ち込むと、そこにいたフェル君の頭を貫く。


「お見事……む?」


「幻術、ですか

ふむふむ、自分が苦手な幻術を使われるとは……」


エルフは狩り、風魔法、神聖魔法、自然魔法、幻術のどれかを得意とする。


以前メーラルさんに聞いたときは

『自分ですか?自分は神聖魔法と幻術以外は得意ですよ』


と言っていた。


故に、幻術への理解度が低いのは仕方ない。


というか、本来のエルフは1つ、多くても2つ程度しか適性は無いものなのに……さすがです。


「隙ありっ!」


ガウラさんが右上の木から飛び降り、切りかかる。


「いい攻撃ですけど、声出しちゃおしまいですよ……」


半ば呆れた顔をしながらも、ナイフを突き立て、それを止める……


「ざーんねん!」


すると背後からしてやったりと言った顔でガウラさんが迫り来る。


「……これも、幻術!?」


「ランバート殿!」


「うわっち!」


地面から棘のように突き立てられた木の根に行く手を阻まれたガウラさん。


「ガウラ、大丈夫か?」


「うん!ナイス幻術!」


「やはり父上が厄介……」


「先生の固有スキルもね……」



「あの幻術、厄介ですね」


「彼女のあの爪も……なかなかに危険だ」


お互いがお互いを認め、そして、もう手加減はしてあげられない。


「メーラルさん、本気で、いきますか」


「む、自分も提案しようと思っていたのだが……まぁ、やるとしましょう」


「うっはー!大変だよ!本気だって!」


「……ガウラ、あれ、やろうか」


「霧化、久々に使いますねぇ」


「魔王様相手だと凍らされるって言ってましたからね」


「あなたこそ、理破り、久しぶりに使うんじゃないですか?」


「そうですね……さぁ、本気で潰しましょう」


赤い霧と、神々しい光が森を包む。

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