稽古 5年後
「……あ、おはようお父さん」
「うん、おはよう、フブキ、ツバキ起こしてきてくれないか?」
「うん、いいよー」
かれこれあの日から5年か……
お父さんと呼んでくれるようになってくれてお父さん嬉しいよ。
あんないい子に育ててくれたツバキには大いに感謝だ。
寝坊助なのは玉に瑕だが……まぁ、それだけ頑張ってもらったからな、仕方ない。
「……フブキ、ご飯食べたら庭においで」
「……うん、わかった」
ご飯を食べ、日が少しのぼり始めたかなり朝早く。
「……まずは、氷剣だ」
「……ん、できた」
「……うん、よくできている、魔力で作った氷に魔力を込めて耐久を増す、よくできてるよ」
「ん、ありがと」
「なら、魔力操作は?できるようになったか?」
剣を枝分かれさせ、星型、四角、丸、グラスの形へと形を変える。
「……んむぅ……?」
「ふふっ、少し難しい?」
「うん、お父さん、どうやってやるの?」
「まず、氷でグラスを作ることはできるよね?」
「うん」
氷のグラス……うん、できている。
「そのグラスを剣に変えてご覧?」
そういうと……グラスが砕けて地面に落ちた。
「……む、難しいわね……」
「ふふっ、落ち着いて、まだ、父さんはどこにも行かないから」
「!うん!絶対にお父さんに勝つ!」
「あぁ、受けて立とう、でももうそろそろ皆との待ち合わせの時間じゃなかったか?」
「え?もうそんな時間!?」
日はだいぶ昇っている。
「作戦会議、行ってきます!」
「あぁ、行ってらっしゃい、こっちも最高のパーティーを用意しよう」
「……私たちが、勝つ」
「魔王は、負けない」
2人笑って手を振り別れる。
「さぁ、俺たちの最強のチームは、俺、ランバート、メーラルの3人だ
ツバキはお茶でも飲みながら見るとの事だ」
「嬉しそうですね、魔王様」
「自分も楽しみなんですけどね?
倅がどこまで強くなったのか……この1戦で見極めたいかと思います」
「よし、それじゃ、ささっと準備をしよう、明日の朝、スムーズにできるようにな」
「かしこまりました」
「自分も手伝うとしよう」
「……俺は……な、何しようか?」
動作確認の時まで俺の出番は無し……
「魔王っぽい口調の練習するか……」




