説明
「……アリス……ごめんな、最後の最後まで俺は頼りない兄だったかもな」
家の裏のお墓の前に立つ。
墓石には2年前の年が書かれていた。
お墓は毎日手入れされているのか綺麗なままだ。
「……アリス、俺から言えることは特にない……強いて言うなら、8年後、また会おう
……もしかしたらもっと早くかもだけどね」
そう言い残し、家の中に帰ってくる。
もう風呂は上がっているらしく、少し髪を濡らしたフブキが椅子に座り俺を待っていた。
ツバキはニヤニヤしながらソファーから顔をのぞかせチラチラ見てくる
「……早く座って、私も気にはなってるから」
「あぁ、待たせてごめんな」
そう言って椅子を引き座る。
「別に、それだけアリスさんを気にかけてはいたってことでもあるし」
「……そうか」
「それより……本題に入るわよ
どうして、15年も姿を表さなかったのよ?」
「……なぁ、フブキ、俺の寿命っていくつだと思う?」
「……何の話?」
少し苛立ちげにそういった
「……いいから、関係あるからさ」
「……さぁ?いくらでもとかじゃないの?」
「8年だ」
少しばかり食い気味にそう答えた。
フブキの顔は一瞬理解できないような顔をした後……
「……え?」
そうとだけ返した、そして直ぐに
「だったら……なんでなおさら家にいなかったのよ!?」
「……15年前、俺は自分の友達2人に寿命について話し合った
そして、その結果……残りの寿命が8年と気づき、自分を氷の中に閉じ込めて、ある種のタイムスリップをしようとしたわけだ」
「……じ、じゃあそれが、それが成功して今更帰ってきたってこと!?」
「まぁ、そうだね、じゃないと矛盾するしね
信じられないかもしれないけど、そうなんだよ」
「どうしてそんなことをしたのよ?」
「……自分の愛娘が成長途中にポックリ逝くのは悲しいからね
特に、8歳の娘だと……俺のこと覚えてくれてないかもだし?」
冗談気味にそういった
「……本当なの?母さん」
「うん、間違いないで
なんてったってウチが許可出したからな」
「!なら信じる……」
「……っていうか、フブキ、今ステータス見たけど、氷魔法、遺伝したんだね」
「!見えるの?」
「まぁね……これ、できる?」
Lvがやたらと低いのは……まぁ、俺の能力だからってのだろうね。
氷で剣を作って見せた。
「そ、それぐらいならできるけど……」
確かに、氷の剣を作っているな……
「よし、俺の剣にそれをぶつけてみろ」
「え?……えいっ!」
ボキンと折れた。
「あれ?なんで!?」
「なんでそうなるのか……俺がみっちりと教えてあげるよ
それが、俺が父としてお前に教えてやれることだ」
頭を撫でようとすると……避けられた。
「まだ……まだ、ネーヴェのことは父と思えない」
「……そうか、まぁ、徐々好かれるように頑張るよ」
「……おやすみ」
「あぁ、おやすみ、フブキ」
「おやすみー……久々に酒飲むか?ネーヴェ」
「……まぁ、そうだな、積もる話もあるからな」




