また消える
「ネーヴェさんっ!!!」
ドアを激しく開け放ち、大きな声で話しかけてくるその女性。
「あ、カーラさんか……どうしたんですか?」
『カーラ レルミー』剣聖に代々使える一族の者。
そんな彼女が血相を変えてやってきた。
「ミラン様が……け、剣聖が!」
「剣聖のミランちゃん?がどうしたの?」
「ゆ、行方不明にっ!」
ゼー……ゼー……と息を切れ切れに告げたその言葉はもう一度俺を唖然とさせるには十分だった。
「また……?」
「……?また……ということは他の方も!?」
「俺の個人的な友達で……竜王のザクラが……行方不明だ」
「……り、竜王が……?」
「……剣聖がいなくなってることにも驚きだよ」
「……一体どこへ?」
「……わからない……」
ザクラもミランちゃんも、2人とも2つの国に必要不可欠の者だ。
王と、剣聖……共通点……無い……
「……まさか……ネーヴェさんでも、ご存知ないとは……
1番私の知る中での強者の元を訪ねましたが……まさか、この事件がここまで凄まじい物とは……」
「……なんなんだ?一体急に……!?」
誰かが……連れ去った……それしか分からない……
結局、この事件が解決されることはなかった




