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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
ウェイパー盗賊団
78/100

幕が落ちた

「……っと、これが私の能力ですね」


「固有スキルまで……本当に信頼されてるねぇ」


「同じ穴のムジナ、なんでしょ?」


「……気に入ったんだね、それ」


「えへっ、そうですね」


可愛らしい人だ……


その数日後……ついに、勇者がやってきた

4人パーティーか……


「……おぉ、あんた達が勇者かな?」


「ですねー、あの人が間違いなく勇者ですね」


「ん、ネクロさんがそう言うなら間違いないね」


「それじゃやりましょうか?勇者様方『死霊乱舞(ネクロパレード)』」


そういうと地面から3人這い出てきた。


「アンデット!?」


驚くよね、そりゃ


しかし、なかなか強いな……あのアンデッドを圧倒するか……


「あとは貴女だけです!『ホーリー』」


そう声高らかに魔法を放つ聖女


「……それはダメだね」


その間に割って入り、光を逸らす。


「す、すいません」


申し訳なさそうに謝るカースさん


「いいってことよ、あんたが俺を信頼してくれてるんなら、俺もそれに答えるのみよ

……先にやることはやっておけ、ここは俺に任せてくれて構わないから」


「……すいませんね、この借りはいつか返しますから」


「なーに、それは報酬で返してくれれば構わんよ!

なんてったって、ギブアンドテイクだからな!」


「……そうですね、それではおまかせ致し……っ!」


そう言って上へ行こうとしたカースが驚いた様子だ

後ろを振り向き確認すると……


「……わーお……元魔王と元四天王が……上から来たな?」


見た事のある……白い元魔王と、元四天王の赤鬼

見せてもらった通りの顔だ……だが、何よりも『上から来た』?

俺の仲間が上にいたはずだが?


「目ざといな、お前がクロン ウェイバーか?」


いかにもそうだが、くだらんことに時間は割けん


「……俺の仲間は?」


「……殺した」


冷たく、一言無慈悲なまでに告げられる

怒りがこみ上がり、激情に任せ切りかかってしまいそうだ……が、それじゃあいつらに示しがつかない……


死ぬ直前、アイツらが残してくれた固有スキル……

こいつらを……超えるために残してくれた固有スキルを上手く使ってやる……


「そうか……ネクロ、上へ行っておけ……ここは俺がやる」


その場を引き受け、心を読み、動きで優り、何度も致命の一撃を与えようと罠も搦めた……


それでも倒せなかった。


心を読み、聞き取れたのは

『奪う雪』の単語だけ

雪に触れ、何も見えなく、何も聞こえない……


その瞬間腹部を襲う激痛と背中にぶつかる固いものの感触。


壁に釘付けにされた……それだけがわかった


俺が今まで殺してきたヤツらもこんなふうに死ぬ時に当たりが真っ暗になったのだろうか?


きっと怖いんだろうな……


すまんな……お前らの仇は取れなかったよ


後……村のみんなもごめん……


あぁ、実に、実に


「……くだらなくて……最高に……面白い」


間もなくして崩落を始めた城の中に、彼の姿はなかった

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