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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
ウェイパー盗賊団
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仲良し盗賊団

「ウェイパーさん!起きてるー!?」


「おーい!クロンー!あーそーぼ!」


「うるせぇ!よし!お前ら片っ端からかかってこい!

この俺!団長がまとめて相手してやる!」


「楽しそうだね」


はっちゃけている俺を傍目に紅茶をすするアイン


「だねー!僕も行ってくる!」


同じく飛んでいくメルナ


「……俺は書類整理かな……」


グゥエルも席をたち家へと戻る


団員のみんなは村の人の手伝いだったり、色々している



「あー!楽しかった!また明日!クロン!」


「クロンさんだ!また明日な!」


手をブンブン降って夕方に子供たちと別れる


「仲良しで、微笑ましいですね」


「村長さん、こんばんは」


「はい、こんばんは、上手く馴染めている様子で良かったですよ」


「ははっ、そうですね、でも俺達は仕事の都合上、いつ死んでもおかしく無いんですよね」


そういうと少し難しそうな顔をした


「だから、俺たちがもし死んだら……遠い所に行ったって、言ってあげてください

俺たち、できるだけ子供たちの周りでは死んだりませんから」


「……ふふっ、お優しいですね、クロンさんは」


「盗賊が優しいわけないじゃないですか

今や、世界に名をはす大悪党クロン ウェイパーですよ?」


「そうかもしれませんね」


若くして村長となったケインさんがにこりとしながらそういう。


「それでは、あんまりに引き止めちゃ行けませんからね

おやすみなさい、クロンさん」


「?……あぁ、おやすみなさい」


辺りを見回すともうかなり暗い

そうか『普通の』人達はこのぐらいの時間からそそくさと帰るのか。


「稼ぎ時なのになぁ」


ボソリと呟きながら帰路を辿る……と、家の近くに一人の少女がいた。


「あ、クロンさん、こんばんは」


「マインちゃんか、待たせたかな?」


「いいえ?それよりも!早くお話聞かせてください!」


この子はマインちゃん


歳の方は17歳で俺の話をいつも楽しそうに聞いてくれる。

眩しいぐらいの金色の髪と、水のように透き通る青の目。

はっきり言うとかなりの美人だ


「そうだなぁ……どんな話が聞きたい?」


「……うーん……英雄って、どんな人?」


「それは……俺が見てきた英雄について話せばいいのか?」


「あ、ちがうの、英雄って、何をして、どんな人を英雄って呼ぶのかなぁ……って」


「うーん……そうだな、俺の自論になるけどいい?」


「うん!クロンさんの話ならなんでもいいよ!」


「じゃあ、話そうかな……」


我が家の近くの木の下で、日が沈みつつある街の中で騙り始める

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