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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
ウェイパー盗賊団
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ウェイパー盗賊団

「……団長!こっちももう漁り終わりました!」


「了解、メルナ、アイン、グゥエル、各隊のみんなを集めてくれ」


ウチの盗賊団の三大巨頭、メルナ、アイン、グゥエル


この3人は固有スキルを持っている……昔からの仲間だ


メルナは桃色の髪に同じく桃色の目の女、スキルは『真実の瞳』相手の目を見ると考えていることが分かる


アインは緑の髪に薄い黄色の目の男、スキルは『過剰な悪戯(トラップマスター)』地面なんかに魔力を込め、爆ぜさせたり、沈めたりと様々な形質変化をさせる


グゥエルは茶色の髪に赤い目の男『第六感(シックスセンス)』能力の底上げ、だ


今や名もかなり上がり、有名人となった俺達(悪い意味)


「……今日も野宿かな?」


「そうかもね、まぁ、次の仕事は簡単そうだし、本部に何人か置いて、私たちだけで行こうかしら?」


「ん、いいじゃーん!?そうしよ!クロン!」


「俺も、野宿は大人数でやるとなるとかなり手間だからな

前までは襲撃先の宿を借りて行けたが……名が知られすぎたな」


「だな、俺も次はそうしようと思っていたところだ、アインに合わせるようだが、俺もそうしたい」


「なら決まりだ、他のみんなには……なんか金策考えてもらうー?」


「まぁ、それでいいだろ……最近不足気味だからな」


「それはクロンが困ってる子片っ端からうちで面倒見てるかはでしょ……」


「せ、世話は俺がやってるし文句ねぇだろ!?

団長に逆らうな!お前らー!」


「はーい、団長サマー」


「絶対バカにしてるだろ……ん?なんかいるな?」


「あの感じ……モンスターかな?

ちょっと僕見てくるー!」


「あいよ、気をつけろよー」


一足先に駆け出して言ったアインの後をゆっくりと追う。


「……お、どうだった?アイン」


「んー、見た感じ大した敵じゃなさそうだよ、でも近隣の村の人達が危ないかもねー」


「!おい!お前ら行くぞ!」


「クロンらしい行動源だね」


「クロンは変わらないねー」


「……団長なのだから少しは……いや、これでいいか」


そうして……モンスターを討伐し、それを見ていた村の住民に、村の敷地の1部を貸す代わりにモンスター討伐を任せたいとの事だ。


「……わかりました、俺たちは4人だけじゃなくて……メルナ、今何人いる?」


「30後半じゃなかったかしら?

どんどん増えてるからよく覚えてないよ」


「……だとの事だ、それでも良いだろうか?」


「はい、全く構いませんよ

この村も敷地ばかりは余ってしましたからね」


村長がはにかみながらそういった。


「なら、お言葉に甘えて……お願いしますね」


こうして、この村がウェイパー盗賊団の仮拠点となった。

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