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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
魔王城へ
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盗賊の強さ

「「……なんで倒せない!?」」


何度も何度も撃ち合い続け、その結果、俺とクロンが同じ言葉を吐いた。


「おかしいな、全く勝機が見いだせへんな」


「アイツ強すぎるだろ……!?」


「くそっ、罠が当たらなくなってきた!?」


「お前の目線である程度予測は着くんだよ!

マチア!今だ!」


「は、はい!」


豪炎をマチアがクロンに飛ばしてくれる。


「うおっと、普通に危ない……っ!」


「もう遅い!喰らえぇっ!」


「それは!読めてたぞ!」


氷剣の斬撃が避けられる……だが!氷の刃がまだ追跡を!


「それも読んでるさ!」


「なっ!?」


「嘘やろ?」


「……ツバキ、2人でマジでやるぞ」


後ろに飛び、そういうと。


「うん、そうしよか、4人は下がっててや、ウチとネーヴェの2人でやるわ」


2人で並んで歩く。


「……勇者よりも強いって感じだ……なんで勇者と?なんて野暮なことは聞かないが……」


もう一度、足を浮かせる独特のステップを踏みこちらを伺う。


「ツバキ、わかっているだろうが、クロンの固有スキルは仲間のスキルを借りるもののようだな」


「だね、期限はよくわからないけど……あの3人の固有スキルだよね?」


「……そうか、あの3人とも戦ったか……そうか」


「……行くぞ、クロン」


「あぁ、来い」


「……あれで行こか」


「……了解」

ツバキがくるりと周りジャンプをする。


地面から氷の板を盛り上げてツバキを射出する。


それと入れ替わるようにクロンが飛んでくる。


「『凍る命(フリーズライフ)』」


「『怪腕 首落とし』」


「……あれが……2人の本気……」


「アケガネ!お前の聖剣も頼りにしているぞ!」


「ウチもやで!」


最悪、聖剣で、この城ごと叩き潰す。


「俺の事をそんなに過大評価してもらっちゃ困るなぁ……」


なんて言いながら、俺とツバキで挟んで戦っているのに、そこまで劣勢じゃない。


「……いや、お前は強いよ」


「ウチもそう思う、この陣形でフューチに勝ったのに……」


「俺は対多数に慣れてるだけだよ」


「それに、フューチと違って、純粋な気持ちはあるにはあるけど……金欲や、その他の欲に元ずいて行動しているから……悪知恵がフューチよりも回るしな」


「やなぁ、首も上手いこと掴めへんし」


「喰らえっ!夜氷魔法!」


「なるほどな!」


そう言って、頭の上に怪腕で傘を作る


「奪う雪?なんだそりゃ」


「!?す、『奪う雪(スティールスノウ)』」


「……黒い雪?」


なんて言った後に、焦り、当たりが見えなくなったのだろうな

氷の棘を突き立て、壁に貼り付け、そのまま上へ上がる。


「……殺さへんのか!?」


「そんなことしてる暇がない!さっさと上へ行くぞ!」

相性が悪いと、直ぐに決着がつくものですね

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