クロン ウェイバーとネクロと勇者一行
「……おぉ、あんた達が勇者かな?」
「ですねー、あの人が間違いなく勇者ですね」
「ん、ネクロさんがそう言うなら間違いないね」
「それじゃやりましょうか?勇者様方『死霊乱舞』」
そういうと地面から3人這い出てきた。
「アンデット!?」
「ここは聖女様の力の見せどころですよ!」
「はい!私の専門分野ですから!」
「……1個だけ明らかに人じゃない気がするけどな?」
「流石ですねー、そうですよ、これ『合成生物』って言うんですよ」
「相変わらず見た目が怖いなぁ
俺は今は戦わないよ、少し見ておきたいからね」
そう言ってニヤリと笑う盗賊風の身なりの男。
「あぁ、そういう事ですか」
察したように笑い返すネクロと呼ばれた女の魔族。
「えぇ……名乗りがまだでしたね
私の名前はネクロ、魔王軍四天王が一人、操霊のネクロです……お覚悟」
「……ええっと、俺は勇者のアケガネ、お前たちの魔王に用があってここに来た、悪いが通させてもらう」
聖剣を抜き、その白い刃と赤の宝石の装飾が光る。
「あれ売ったら高そうだな……いくらになるかな?」
目ざとくつぶやく盗賊。
「……それじゃ、始めましょうか」
そう言って両手を前に向け、3人?の死霊をけしかけてくる。
「俺たちはこの死霊の動きを止めるぞ!
その後は全部ヴェールさんに任せるから準備を!」
「かしこまりました!皆さん頑張って!」
「わーい!ヴェールさんに頑張れって言われた!
ネーヴェ様のためにも頑張るぞー!」
「……僕も、平和な世界のため……頑張りますか」
勇者の聖剣が光り、赤い魔力が渦を作り、静かにアンカーが狙いを定め、ヴェールはトドメを刺す。
戦いはかなり一方的だった。
聖剣の力も凄まじいが、戦力に差があった。
「……やっぱり4つもあやっていると神経がすり減りますね!」
「結構器用だね!」
だが、ものの数分で全員成仏させた。
「あとは貴女だけです!『ホーリー』」
光を飛ばすヴェールさん。
「……それはダメだね」
その間に割って入る盗賊の男。
「す、すいません」
「いいってことよ、あんたが俺を信頼してくれてるんなら、俺もそれに答えるのみよ
……先にやることはやっておけ、ここは俺に任せてくれて構わないから」
「……すいませんね、この借りはいつか返しますから」
「なーに、それは報酬で返してくれれば構わんよ!
なんてったって、ギブアンドテイクだからな!」
「……そうですね、それではおまかせ致し……っ!」
「……わーお……元魔王と元四天王が……上から来たな?」
「目ざといな、お前がクロン ウェイバーか?」
「……俺の仲間は?」
「……殺した」
「そうか……ネクロ、上へ行っておけ……ここは俺がやる」
「……はい」




