魔王戦
「お前たちは下から頼む……俺は飛ぶ」
羽を生やし、影の見えてきた城へ飛び立つ
「魔王は俺が先に戦っておく、残り一人の四天王と、ナイリーの言っていた人間に気をつけながら、殲滅せよ」
「……魔王っぽくなってきたな」
「魔王さん怖ぇ」
「……これが……氷魔王」
「かしこまっ!」
「ウチは……まぁ、なんでもえっか」
「それじゃあ行ってくる……ローズさん、助かりました」
「はい、ご武運を」
明るい空を高速で飛び立つ。
昔に空いていた大きな魔王の間の穴にステンドグラスをはめ込み誤魔化しているが……そこを蹴破り中に飛び込む。
様々な色のガラスが散らばり、少し綺麗に見える。
「氷魔王!?」
「お前が今世の魔王……名前はカルマナ、と言ったか」
「……嘘だろ……封印を……解除してものにしている!?」
「そんなことはどうでもいい、今のお前の行動は俺のめざした世界とは違う」
「お前の作った世界は許せないんだよ!
なんで俺たちが人間と仲良しごっこしねぇと行けないんだよ!」
「……おかしいな……そういう考え方のやつは俺に向かって来て全員絶ったはずなんだがな?」
「っ!お前が殺した魔族や人間、亜人のことはどうでもいい!
どんなに素晴らしい政策にも必ず反対意見が生まれるのはお前も知っているだろう!?」
「あぁ、そうだな、今お前も身をもって実感しているだろう
俺たちふたりの政策は真逆のものなんだ、だから話し合うだけ無駄だ、本来同様に、強いやつが王なんだ……」
そう言って、手を向ける。
「クソがっ!だったら先に倒してやるよ!」
闇魔法……を拳に纏わせ殴ってくる。
ツバキよりも、遅く、軽く、大雑把な一撃……
「お前じゃ無理だな」
音を立てることもなく凍りつき、ただの氷像とかす魔王。
「……はぁ、弱すぎやしないか?カルマナ?」
周りのレベルが落ちたのか……はたまた、俺が強いのか
「……せっかく手にした能力も、お披露目の場がなければ楽しくないな」
なんてボヤいていると下の方から地響きが聞こえる
「……皆来たか、あと魔王城にいるのは……54人か」
そのうち5人は勇者一行の4人とツバキ……
残りは49人……1番近いツバキの方に行こうか。




