古き日の夢 ナイリーの戦い
「今だ!そこを右に!ちっ!やられたか!
お前たちも早く魔法を……くそっ、殺意に気圧されてるだと!?」
我の固有スキル『不死の軍勢』は、単純明快、我の魔力の続く限り兵を生み出せる。
我も糸を飛ばしたりしているが……あっという間に凍らされてしまうし、何よりも動きが俊敏すぎる。
「やはり厄介なやつよ!
だが!我が軍も負けてはおらん!さぁ行け!」
前衛を大量に配置するがその大軍を蹴散らし、我の方に一目散によってくる。
「ふん、お前のその猿真似の剣技なぞ、受け流せるわ!」
繰糸のスキルを使い、マントの糸を操る。
右の方に糸を動かし受け流す。
以下にネーヴェの氷魔法が強かろうと、流石に我のマントほどではない、既に1度実験済みだ。
受け流され、隙を見せた……が、いつものあいつならこの隙が隙ではなくなる……
「ほら見た事か、もうあんな所に……
なぁ!ネーヴェ!貴様が我と知力で勝負をしてただの1度でも勝てたことがあるか!?
我はかの一国の次男!兵法なぞ貴様よりも知っておるわ!」
進軍をまた進める。
だが、あいつに決定打を与えることは今のところは無理だ。
何が隙を!
そう願っていると本当に隙を見せた。
ぐらりと体制を崩し地面に倒れ込む。
「……状態異常……ランバートか!」
あやつのスキルのかおかげで活路は見えた!
あとは針に糸を通すが如き精密な一手を……
「そんなもの、いつもしておるわ」
右に左にとふらつくネーヴェを罠の中に追い詰めていく。
そして、その地面の上に立った瞬間。
「……捕縛、からの輪切りにでもなれ」
体に巻いた糸を閉め、切り裂く。
それを兵士どもに粉々にさせる。
「ランバート!助かったぞ!」
「いえいえ、流石の早業ですね、糸が凍らされるよりも早く切り裂くとはおみごと」
「ふんっ」といい拳と拳をぶつけた。
「あとは2人か、まぁ、すぐに終わるだろうな」
「ですね、優勢になってきていますしね」




