剣聖の元へ
「……あなた方が勇者様ですね、そちらのお二人は?」
ソウルドの門の前であの時に出会った女剣士と話をしていた。
「あぁ、この2人は俺の連れだよ、いいだろう?」
「はい、構いません……あの、そちらの白髪の方、どこかでお会いしませんでしたか?」
「え?……うーん……ごめんなさい、俺には覚えがないですね……なぁ、ツバキ、知ってるか?」
「んや、ウチも知らんな……ごめんな」
「俺からも、ごめんね、お嬢さん」
「あ、いえいえ、私の勘違いのようです
どうぞ、剣聖様はこの時間は……お散歩にも出てるでしょうし」
そう言われてくてくと着いていく
「……あ、いらっしゃいました」
少し小高い丘の上でバスケット片手に木陰で休んでいる少女……あれが剣聖?
「……随分と幼い気がしますが?」
「はい、彼女は今年で15になったばかりですから」
「!15!?それで剣聖なんて呼ばれてるんですか!?」
マチアが食いつく。
「はい、彼女は前代未聞の固有スキルを2つ持っていますから」
「!?2つ!?」
「はい、この国も大騒ぎでしたよ
本当に強いお方です、最強、その一言に尽きます」
「……少し、会ってもいいでしょうか?」
「いいですよ、彼女は刺激を求めてますから」
「ありがとう、そういえばあなたの名前は?」
「私ですか?私は『カーラ レルミー』です
何千年も前から剣聖様を支えている一族です」
誇らしげに語るカーラ
「そうなのか、よろしく、カーラ」
「はい、よろしくお願いします」
そう挨拶を交し、木陰の少女の元へ向かう。
「……だ、誰から話しかける?」
「アケガネ……結構人見知りなのか?」
「……そうだな……かなりそうだ」
「……俺から行くよ、個人的に興味がある」
「お、流石は魔王さんだな」
なんて、アンカーが煽ててくるのを背に剣聖の元へ。
「……やぁ、お嬢さん、初めまして」
「……はい、初めまして」
こちらを振り向いた彼女。
陽光を背に、綺麗と言うよりも、年相応の可愛らしい子だ。
だが、その目は閉じている。
「……?目、怪我してるの?」
「いえ、生まれつき見えないんですよ」
「……そうか、それは悪いことを聞いたね」
「いえいえ、これでも全然不自由してませんから
それよりも、他の5人の方も、こっちに来てくださいよ
私、初めてのことが好きなんですよ」
そういうと5人ともやってきて挨拶をしたあと彼女がこういった。
「自己紹介がまだでしたね!
私の名前は『ミラン ダリン』今代の剣聖です
あなた、私と戦ってくれますか?」
そう言って、アンカーに言った
「……え?僕?……いいですよ、戦いましょう」
そして、ソウルドの外の広いところで剣を抜き合う。
アンカーの実力が見れるのは楽しみだな。




