海の上で
とりあえず俺は旅の人ということで乗り込んだ。
ツバキはよく良く考えれば変装する必要が無いのでそのまま乗り込んだ。
変装の方法は体の周りに『偽の氷像』を纏わせて形を変える応用で誤魔化している。
「……あ、なんか違和感あると思ったらあんた聖剣持ってないやん」
船に揺られながらツバキが腰の剣を指さしながらそういった。
「いやー、それが聖剣の場所分からなくてさ……
名前なんだったっけ……フューチだったか……あの人が聖剣隠して見つけれないんだよね」
「フューチ様って確かネーヴェ様と同期じゃないですか?
だいたい百年前の出来事ですし」
「……懐かしいなぁ……フューチ」
「そやなぁ、フューチか……懐かしい」
「そういやツバキはよくお菓子焼いてもらってたからな」
「そのクッキー横取りして紅茶飲んでたやんか!」
「……本当に……懐かしいなぁ」
「そやなぁ……」
「……仲、良かったんですね」
聖女さんがそういった。
「……あぁ、人間の中だと1番仲良かったな」
「そやな、なんて言うかお姉ちゃんぽい感じやね」
「だな、姉がいたらあんな感じなんだろうな……」
「……なんか、しんみりしちゃいましたね」
「……そやな、なんかごめんな」
「いえいえ、あ!あれ、ネルカートじゃないですか!?」
「お、そうだな、もうついたか……」
「……荷物は、もう持ったよ……」
「サンキュ、アンカー」
「ん」
その数分後にネルカートへ到着した。




