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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
最後の封印を解除すべく
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目的地と寄り道

「……よし、それじゃそろそろ出発しようか」


野宿を終え、地図を確認して、向かう『サーラー跡地』との位置を確認して歩を進める。


「……わかった、それじゃ行こか……ネーヴェ?」


「あぁ、わかってる……4人……いるな」


「……誰にしたって今のウチらの敵に間違いあらへん……でも、殺すのやめよう、縄一応持ってきたから速攻で捕縛して、戦意を喪失させよか?」


「じゃあ、俺が2つ縄貰うよ、残りの2人頼む」


「りょーかい」


指で『3、2、1』とサインをして同じタイミングで飛び込む。


「うぉあ!?」


「きゃっ!?」


「っ!敵っ!」


「大変です!?」


「……よし、捕縛完了やな!ネーヴェ!」


「そうだな、相変わらず俺たちコンビは最強だな!」


バチンとハイタッチをする。


「ネーヴェさん!?」


「氷魔王!?」


「あ!あの時の!」


「……なるほど、魔王さんか……」


「あ!勇者一行じゃないか!」


「ん?こいつらが今代の勇者たちか?手応えが無さすぎるで……?」


「まぁまぁ、俺達が今の勇者たちよりも強いだけだろ」


「……この縄解いてください……」


「あ、ごめんごめん」




「……さてと、そちらの女性は初めて会いますね!なんという名前なんですか!?」


「マチア、落ち着け」


「ウチはツバキや、このネーヴェの相棒やな」


「そうだな、こいつは俺の相棒だ」


「……魔王さんの相棒……なんか口調も変わってるし、色々あったのかな……?」


「アンカー、ブツブツ言わない!」


「聖女さんも、お久しぶりですね、なんでこんなところに?

この先は……ネルカート行きの船着場だけですよ?」


「そのネルカートに少し用がありまして」


「?どんな用ですか?」


「これ!見てください!私のご先祖さま……エルナ カーラが書き残した日記?書記?を見つけたんです!

初代勇者の『ココア』様と一緒に世界を救いに行った1人なんです!私のご先祖さまは!」


「……ココア……!もしかしてそれって5000年前の!?それで!?それがどうしたんだい!?」


「お!食いついてきましたねぇ!

そこには『ネルカートのすぐ近くにある森に住まうエルフの里を訪ねてごらん?きっと私と一緒に戦ったミーヤちゃんの子孫が1人はいるはずだよ』って書かれてあったんです!」


「……なるほど……?

それで、エルフの里へ向かうわけか……ツバキ!」


「はいはい、行こう、やろ?わかったわ、ウチらもついて行くわ」


「魔族連れてるってバレたら結構厄介なんだけど!?」


「大丈夫、変化の魔法ぐらい使えるし、普通にバレないよ」


「……そうやな、ウチもそれでええで」


「よし、それじゃ、行きましょうか」


「わー!ネーヴェ様と一緒に旅できるなんて!」


「魔王さんにその相棒さん……心強いな」


「私としても、助かりますね!」


「……ったく!仕方ないな……」

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