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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
最後の封印を解除すべく
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2人旅

「……いやー、ツバキとこうやって2人旅するのも久しぶりだな」


「せやな、ウチら昔はよーこうやっててくてく歩いてたなぁ」


「ツバキ飛べないからな」


「そうそう、そうやって雑談しながら歩いてたのホンマに懐かしいなぁ」


……あぁ……気まずい……

喧嘩別れして、久しぶりに会って、ぶん殴られて


そしたら何故かすげえおしとやかになってて……怖ぇよ!?


「……なぁ、ネーヴェ」


「な、なんだ?」


「……ウチの約束……覚えとるよな?」


「……会うのは1回だけだろ?」


「そや、でもそれじゃない、もうそれは破棄や

約束ごと、もう一個あったやろ?酒飲みながら、約束したアレが」


「……懐かしいやつ思い出させてくれたなぁ

そうそう、俺もお前も酒飲んだらすげぇ静かになるんだよな、確かツバキは泣き上戸で」


「あー!そういうのじゃないわ!

ほら!約束覚えとるよな!?」


「……えぇっと『嘘はつくな』だろ?」


「そうや、お互い、信頼しあった中やからああ言う約束をしたやろ?」


「そうだな、それがどうした?」


「……いや、なんでもない、覚えとるかの確認や」


「?そうか」


「……なぁ、ウチが最後にネーヴェに言ったこと覚えとる?」


「……なかなか恥ずかしいこと言われたのは覚えてるな」


「……やっぱり覚えとるか……あー!恥ずかしい!」


「どうした?俺の事嫌いか?」


「うーん……そういう訳じゃないんよな、恥ずかしいけど、未だに好きやしなぁ……もうウチら何十年も一緒におるんやからそろそろ付き合ってもええんやないかなぁって」


「……それは俺も別にいいよ?

お前となら付き合っても別に大した不自由もないだろうからな

それに俺はお前のこと好きだし」


「そうなんか、ウチら両思いか、嬉しいな

でもなんでかネーヴェと結婚してる姿が思い浮かばへんねよな……」


「……あ、確かに、どんなに頑張ってもせいぜい手を繋いでるところぐらいしか想像できないな」


「!そうやんな!ウチもそうなんよ!」


「……うーむ、難しいな、俺達」


「やんなぁ、なんかキスするところすら想像出来んって大丈夫なんやろうか?」


「……あぁ、ダメかも……って言うか1回昔しただろ?」


「……あ、そういえば酔った時そのままキスしたんやったな」


「そうそう、お前の角が頭にぶっ刺さって血が出て酔いが覚めたってやつ」


「あっはははっ!ホンマに色恋沙汰にはウチら似合わへんな!」


「本当に……まぁ、これだけは言っておく、別に俺はお前と付き合っても全然いいよ、むしろ付き合いたい」


「だけど何故か想像できないから今はやめておこう……やろ?」


「その通り、せめて世界平和がまた実現したら付き合ってみるか?」


「……そやな」

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