封印解除
「……あー、頭いてぇ……」
「馬鹿野郎……僕もちょっと頭が痛てぇよ……
ツバキ、封印解除に行こうか」
「そ、そうやな!行こか!」
「……よし、これでスキルが帰ってきた……
僕が頑張って習得した魔眼とか、他にも氷魔法だけじゃなく夜雪魔法も帰ってきたし……うん、だいぶ戦えるようになったかな?」
「……さて、ネーヴェ、俺はちょっと用事が出来た」
「?ザクラに用事なんてあったか?100年間何も無かったのに」
「いやー、それがさ、王様決めるみたいでさ、俺もローズも1回里帰りしなくちゃ行けなくてな」
「はい、一応覚えてはいたんですね、てっきり忘れているかと思ってましたよ」
「バカにしすぎだろ!?あんな重大行事は忘れねぇよ!?」
「そうか……なら仕方ないな、いつだ?」
「時間的にも今日いっぱいが限度だな、悪いな」
「いや、別にいいよ、そう気に病むことは無いさ」
「そうか、それじゃ、今日は最後だし楽しもうか」
「だな、ローズさんも、どうですか?」
「どうって何がですか?」
「……ネーヴェとの勝負だよ」
「2対1で来てもいいよ?」
「……なるほど、なら私も少し楽しみましょうかね?」
ザクラは大剣を、ローズさんはドラゴンの姿になって襲いかかってくる。
「はははっ!やっぱりネーヴェ強いな!」
「ですね!全然攻撃が当たりません!」
「当たるわけないだろ!?死ぬかもしれないんだから!」
ローズさんは邪竜なんて呼ばれてるけど別に性格は悪くは無い。
ザクラは真っ直ぐな性格の良い奴だ。
そのあとも遊び続けて、そして、最終的に僕が勝てた。
「っしゃあ!僕の勝ちだ!!」
「っつうぅ、負けた!」
「相変わらずお強い……」
「流石に負けないさ!僕だって強くなったんだからな!」
「……かー!負けた!しかももう日も落ちかけてるし……いやー、楽しかった!」
「ですね、とても楽しかったです」
「次帰ってきた時はいい酒でも持ってくるよ」
「お、ありがとう、ザクラ」
「それではまた会いましょうね、皆さん」
「そやな、また会おな」
「ローズさん、ザクラ様、また会いましょうね」
そう言って空へ飛び立つ2人の竜。
「……あと1つ……封印を解除しに行くか」
「ウチも着いてくで?」
「……そうだな、頼むよツバキ」
「あと僕っていうのやめたらどうや?もう王様やないんやから俺でいいんとちゃうか?」
「……確かに!よし、なら俺でいいか!
言葉使いも変に丁寧にするものじゃねぇしな!いつかボロが出る!」
「そうや、やっぱりネーヴェはそんなぐらいがちょーどええわ」
「それじゃ、アリス、済まないけど、また待っててくれるか?」
「いいよー!ネーヴェ『君』」
「……懐かしいな」
「言われてみればもう魔王じゃないからね、ただの幼なじみ、家族だから」
「……そうだな、それじゃ、適当にここの国でゆっくりしたらいいよ、俺たちは先に最後の場所へ向かうから」
「うん、じゃあね」




