孤独の決勝
「はーい!皆さんこんばんはー!
本日の決勝戦の司会に及ばれました、解説役のランギーだよ!よろしくぅ!」
ランギー……?あの音魔法のランギーだろうか?
「只今より、決勝戦を初めて行くぜぇ!
この戦いで魔王が決まる!選手入場!
まずは現在の魔王様の息子!オルソー様
そして、今大会のダークホース!素性一切不明!ネーヴェ!」
俺もオルソー様も、既に会場に入り、リングの上に立っているが……誰もどちらも応援していない。
強いて言うなら、少しだけオルソー様に応援がある。
「……うーん、相変わらずみんな暗い性格してるねぇー!
文句があるなら、今ここでこの2人に殴りかかればいいじゃないのぉ!?
そういう陰湿なの、俺っち嫌い!」
おぉ、ズバッと言うなぁ……
「……ま、いいや!それじゃ、決勝戦、開始っ!」
「『雪化粧』」
「魔眼『轟雷眼』」
「おぉー!両者開始からバリバリに牙を向いてるぞ!」
「『雷線』!」
カタナを抜き、黄色い塊を飛ばしてくる。
「『氷壁』そして『偽の氷像』」
「おぉ!?ネーヴェ選手が2人に!?」
「全部片っ端から切ってやる」
そう言って切り裂かれた
「今だっ!『幻影の罠』……嘘だろっ!?」
切った瞬間あっという間に間合いの外へ行ってしまった。
なんだあの早さ……ありえない……
「『雷歩』……『紫電閃』!」
「紫!?しかも早いっ!」
目にもとまるかとまらないかの素早さのオルソー様。
何とか捉えて避けてが限度だが、それが何度も続く。
「もう、さっさと終わらせるぞ!」
「……前に見たあれか!来い!ネーヴェ!」
「何を見せてくれるんだ!?」
「『凍る命』……さぁ、終わらせよう!」




