間の時間
「……えぇ、決勝戦は1度間を置いて、本日の夜に行います
時間は今より10時間後!
それまでに決勝戦の司会の方が来て下さるかと思います」
「じ、10時間……?」
「それでは!各自解散してください!」
「……ネーヴェ君!どうする?」
「アリス、家に戻って寝てるといいよ、今日は疲れただろ?」
「それはネーヴェ君も同じじゃないの?」
「それがなぜだか全く疲れを感じないんだ
きっと俺はいま相当興奮してるんだろうね」
「そうなんだ……まぁ、私は眠たくなったし寝てるよ……おやすみ、また後でね」
「うん、おやすみ」
「君っ!!ネーヴェ選手!君は一体何者なんだい!?」
「……どけ、俺が何者でも俺の勝手だろ!」
押しのけ、個室へ戻る。
「……ちっ、虫のいい奴らだ……」
「……失礼、ネーヴェ君はいるか?」
「……どなたですか?」
「決勝戦で君と戦うオルソーだよ、いるみたいだね、はいっても?」
「お、オルソー様……!?ど、どうぞ」
「ありがとう……さて、初めまして、だね」
「あ、はい、初めまして……相変わらず独特な武器使ってますね」
「これかい?ふふっ、これでも東の海を渡った先にいる鍛冶屋に打ってもらったんだ
そういえば、武器は?」
「武器は自分で作ります、その方が信頼出来る……ほら」
氷の剣を作り、見せた。
「それが噂の枝分かれする氷の剣……」
「……しかし、あなたをマークしておいて良かったですよ」
「!マークされていたんだ?」
「えぇ、なんてったって、あなたと最後当たると思ってましたから」
「!俺を……俺が勝つと信じていたの?」
「もちろんです」
「……それは残念だなぁ、この日の為に人前では力を振るわなかったのに……なんで俺を?」
「……強いと思ったから……かな?」
「……曖昧だね」
「そんなものだよ……次の、決勝戦、どっちが勝っても恨みっこ無しですよ?」
「……うん、恨んだりしないさ、俺が勝つ……!
それだけを言いに来たんだ、姉上が部屋の前に来てるし、俺はもう行くよ、またね」
「……?カムラン様が?どこに?」
なんて疑問を抱きながら数秒後、カムラン様が本当に来た。
「……やぁ、ネーヴェ君」
「カムラン様、どうしましたか?」
「あんまり驚かないんだね……
凄く強かった……まさかあそこまで圧倒されるなんて思いもしなかった……ありがとう、いい経験になった」
「……いえ、まだ、最後の切り札はありますよ」
「!私のと勝負でも全力出さなかったんだ?」
「出さなかったというよりも、出せなかった、ですね
もしも出していたら、たとえ勝てたとしても、この決勝戦には挑めなかったですから」
「……なるほど?デメリットがあるという事ね?」
「そうです、そして、オルソー様にはそれを使うつもりです」
「そう……オルソーがまさかあそこまで強いなんて思いもしなかったわ……私も兄様も慢心していた……」
「……そうですね」
「……それじゃ、頑張ってね、私はあなたに期待している、私に勝ったんだから……負けないでね?」
「……はい」




