準々決勝 第1王女
「……それでは……準々決勝、第1王女カムラン様とネーヴェ選手の試合を開始致します」
黒い髪に赤い目、間違いなく王の血を引いている……
「……おぉー!カムラン様!頑張れー!」
会場は完全にカムラン様1色だ……まぁ、逆の立場なら俺もそうするかな……
「本当に勝ち上がってきた……凄いね」
「ははっ、第1王女様に褒められるなんて光栄です」
「……それでは、開始っ!」
「『雪化粧』夜雪魔法『奪う雪』『偽の氷像』!」
「わぁ、見たやつが全部でてきた……でも、私の方がまだ上だね
『鮮血剣 アデザヤ』やるよ」
「……魔剣かよ……もう抜いてたかぁ……」
「なんか私は適正あったみたい……この剣、好き
闇魔法『ブラックニードル』」
「……うおっ……は?早っ!?」
さっきまでの魔族たちだってみんな強かった……
だけど、レベルが違った。
針が飛び出し、その針からさらに針が飛び出でる……
俺の氷剣みたいだ。
結構かすったし、血がぽたぽた滴る。
「……あなたの真似、してみた、結構使えるね」
「アイデンティティ奪われた……ん?」
血が中に浮いて……カムラン様の方へ吸い取られる
「私の鮮血剣は血を使って戦うの……もちろん、あなたの血もよ?」
「……氷魔法で、止血するか……」
「それでいいんじゃないの?……はっ!」
「危なっ!……いてっ……?」
「この剣から飛び出でる血の刃、避けれるかな?」
「リーチが違うな……よし!行け!俺の分身!」
「あいよ」
「……この分身は壊したり近づいたらダメなんだよね……アデザヤの力で……やるね?」
剣を振る……と同時に赤い刃が飛んでくる。
分身の体を2つに裂いて、勢いをゆるめることなく壁まで飛んでいった。
「戻っておいで」
そう言うと血が戻ってくる。
「……再利用できるんだ……?」
「うん、今度はこれであなたも斬るよ」
「……『幻影の罠』!」
「!?わっ!?まだ動くの!?」
「そりゃあその氷はまだ残ってるからね、それは生き物じゃないんだから……」
「ふーん?なら、跡形も無くすよ魔眼『灰燼眼』」
そういうと分身がチリになった。
「……これ、試合だと殺しちゃうから使えないんだよね……いや、君なら死なないかな?」
赤く光る目でちらりと見てくるカムラン様
「……困ったな……決勝戦まで置いておきたかったんだけどな……」
「やっぱりなんか隠してた……私も、本気で魔眼使う……」
「……困ったな」
「私たち三人兄妹、みんな独自の魔眼の固有スキルがあるのよ……私の魔眼はさっきの灰燼眼……今度はあなたに向ける」
「……なら、俺も本気で行かせてもらう」




