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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
過去の王位継承戦
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王位継承戦開始

「……よし、行くか……」


「うん!行こっか!ネーヴェ君!」


あばら家の軋む戸を開けて、晴れ晴れとした朝、魔王城の元へ向かう。


「えー!只今より受付の方を始めさせていただきます!

皆様から見て左側の方で登録をどうぞ!」


響くアナウンス

辺りにいる魔族はどれもこれも1度は聞いたことのある奴らだった。

15歳の俺にはあまりにも場違いに見えるだろう。

ましてや、こんな貧相な見た目の奴が。


ほら、耳を済ませれば聞こえてくる


「あいつも参加するのか?」


「死ぬんじゃねーの?」


なんて舐めた感じのやつらだ。


だが、俺だって何度も何度も試行錯誤したさ。


その結果手に入れた俺の俺だけの固有スキル……制御は出来ないけど……


本気で取り組もう、ここが人生の正念場……ターニングポイントだ。


受付を終えて、アリスと別れた。


参加者の連れは優先的に座席が貰えるようだ。


今から5000年前、『アグナムート』と『カラミス』と言う魔族が散った。


その後、随分と魔族は変化した。

ふらりと姿を消した聖女

覇気のなくなった剣聖

家族を作った勇者の盾

勇者を助けるべくどこかへ行った2人の勇者の矛

戦力を失った国々


それら全てが魔族に上手くはたらきかけ、結果人の真似事をしている。

王族、王家、貴族、果ては差別。


まるで人間だ。


そんなもの達が一挙に集まるこの場、この日に上手くいって欲しい。



トーナメント形式で行われるこの大会


自分の名前は……あった、左下の方に『ネーヴェ』

そんな俺の名前と繋がっているのは……ジェイル……

あぁ、自然魔法を土魔法に派生させた大魔術師じゃないか……

王の子はこの国に3人いる

第1王子の『ウェルター』

第1王女の『カムラン』

第2王子の『オルソー』

この3人が有力……と言われているが、本当に誰が王になってもおかしくないぐらい凄いメンツの集まりだ。


戦う前に……あ、いた、ジェイルさんだ


「……ジェイルさん?」


「……ん?なんだい?少年」


「第1試合の対戦相手のネーヴェです、よろしくお願いします」


「おぉ、これはこれはご丁寧にどうも」


べこりと俺なんかに頭を下げてくれる


「土魔法の第一人者と戦うことが出来て嬉しいです」


「へぇ?よく知ってくれてるねぇ、嬉しいよ、ありがとう、いい勝負にしよう」


パチンとウィンクをするジェイルさんの目には負けるなんて考えていないような自信が見えた。

……無論、俺の目も同じだ。


大会の形式は単純なグランプリ形式だが……

全部の戦いが同時に始まる。

そして、一番強い奴が魔王という単純明快な形式だ。

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