恋愛相談
「……ほほーう?」
「な、なんやその目は……!」
「いやぁ?何かお前でもそう言うところあるんだなぁって思ってさ」
「……えぇやんか……」
「ま、そうだな、恋愛の話なら俺はヤメだ、力にはなれねーよ」
「……ま、そやろな」
「んじゃ、俺はネーヴェを迎えに行ってくるよ、もうそろそろ治ってるだろ、あいつのことだし」
「……そやな……ちょっとゆっくりめで頼むわ!」
「……お前も乙女だな……わかったよ……」
苦笑いをしとるザクラが頭を掻きながら家を出る。
「……それでー?ネーヴェ様のことが好きなんですね!?」
「凄い食いつきだね、ローズちゃん……」
「……そうやで、好きや」
「……なら告白しちゃいなさいよー」
「!?そんな唐突にするものなん!?」
「……と、唐突……?」
「100年と少しずっと好きだったのに……唐突どころか結構遅いですよ?」
「!それもそやな、アイツとあんまり会ってなかったから感覚が少しズレとった……」
「それでー?一体ネーヴェ様のどこに惚れたんですかー?」
「……そ、それは……意外と大胆不敵なところ……かな?」
「……あぁ、確かに……あの時も……あんな理由で飛び出して、そして実現させちゃったからねえー」
「あぁ……前にアリスちゃんが言ってたね……
そっか、確かに大胆不敵だね、他には?」
「義理堅かったり、約束は守ったり、何やかんやで優しかったり……あとは意外とバカだったり、何よりもめちゃくちゃに強かったり」
「……いっぱいでてきたね」
「……あと、直ぐに熱が入って暴走し出すところとか?」
「あぁ、確かに、氷魔王なんて名前つけられてから結構『名前に恥じないように』って冷静なフリしてたけど意外と沸点低いんですよねぇー」
「でも、それらを確実なものにする行動力と……私たち竜族を動かしたカリスマとかですかねぇー?」
「あ、カリスマはあると思いますね!私の住んでる魔界でも『人間殺す』だったのに全部が終わったら『人間仲良し』になってましたから、人を変える力でもあるんでしょうかね?」
「……なんというか……ネーヴェは王になるべくして王になったって感じやないか?」
「……確かに、言い得て妙かも」
「確かに、魔王の血を引いているあの子を殴り飛ばして魔王になったみたいなものですからねぇ……なるべくしてなった……その通りかもですね」
「あ!それ私も聞いたことあります!王家の子をボコボコにして王になったって言う話!あれ実話なんですか!?」
「そうなんですよー、あれ本当に困りましたから……」
「やっぱりやる男やなぁー!」
「ネーヴェ様が来るまで、昔の『ネーヴェ君と私』の話しましょうか?」
「ネーヴェ君……?気になりますね……」
「ウチも気になるなぁ、聞かして!」
「はい、いいですよ」




