表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
新たな世界へ
18/100

回想 相棒

……傷が治るまで時間があるな……昔のことでも振り返ろうか……


昔、僕は……ツバキといわゆる相棒のような仲だった


そこら辺の家族なんかよりもずっと深く、硬い絆で結ばれていた。


人間と戦う時も、いつだってアイツが僕の隣にいた。


「ネーヴェ!行くで!」


「あぁ!奥のヤツらは俺に任せろ!」


なんて風にして、攻めてきた軍を何度も何度も打ち負かしてきた最強コンビだった。


お互いを磨き会うためにも何度も何度も組手をした。


だから、コンビネーションも完璧だった。


時々意見が合わず喧嘩になることもあったが、その時は『喧嘩で勝ったやつが正しい』と言う僕たちふたりの信条に基づいて意見を通した。


そんな僕達の出会いはこんな感じだったか?


「……というわけなんだ、我々が共存する世界を作り上げたい……できることなら人間もだ」


シュレンドの王に直談判し、話し合っている


「ふむ……我としてもこの提案は是非とも受けたい……それに、ここは田舎だからな、他国の良い所を取り入れたいとも思っておったよ、喜んで協力しよう」


「助かった、鬼の王」


「うむ、だが……魔族の方にもこんな話に乗るヤツは少ないであろう?我が国最強の者を送る、上手く使ってくれ」


「!いいのか?」


「それだけ期待しているということだ

我の名が歴史に残るやもしれんからな!」


最後は冗談のように笑いながら言った。


「そうだな……そいつはどこにいるんだ?」


「……うーん……どこだろうか……」


そういうと激しい揺れとその方向に立つ砂埃


「あ、あそこだね」


「……ほう?」


期待が膨らんだ。


「……女……?」


「ん?誰や?あんた……角生えとるけど鬼やないな……?」


辺りの様子から先程の砂煙の主だとわかった。

燃えるような赤い髪と赤い目は……竜族の友を思い出した。


「ツバキ、この人は近代の魔王様だ」


「よろしく、ネーヴェだ」


「……魔王……?はー、意外と体の線が細いんやなぁ……魔王って言うともっと異形の化け物を想像しとったわ!」


「そ、そうか」


第一印象は元気なやつ。

……それは今でも変わらないね。


「……ツバキ、君はこの魔王様について行ってもらう」


「?どういうことや?」


「……少し説明しよう」


そうやって説明している間ふと思った……この子は王にもタメ語で話せるぐらいに地位が高い子なのか?


「……はー、なるほど?世界平和かー!平和!えぇなぁ!面白い魔王様や!よし!わかったでー!ウチも手伝う!」


「そうか、ありがとうな」


「うん!任せーや!ウチがおったら100人……千人力やで!」


「頼りにしてるよ」


その実本当に世界平和に大きく貢献してくれた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ