友の国へ
「……よし!西の国に行くのはやめ!先に南の国だ!」
「えぇ……やめるのか?」
「あぁ!別にアイツが怖いからだけじゃない!
ナイリーの奴が国を作ったらしくてな!そこへ行くんだ!行くんだ!」
「本当に……あの人のことになるといっつもそんな風になっちゃうんですから……氷魔王の名前の由来は氷のように冷たく冷血な魔王のことのはずなのに……」
「いいじゃないか!僕にだって苦手なものはあるの!ほら!行くよ!友の国へ!」
そうして……ザクラの背中に乗せてもらい南の国へ向かう。
長距離移動にはいつも助けられる
「……あ、あった『アンデットの国』ナイリーの国だ」
そう、四天王の1人、死霊王ナイリーはアンデットなのだ。
彼の固有スキルもまた強い……
「……それじゃあ、王のところに行ってくるよ、君たちも来る?」
「そうするわ」
「私もそうしましょうか」
「……久しいな、ネーヴェよ」
「あぁ、全くだ、久しぶりだな」
ドクロに挨拶をする。
ナイリーは王家の一族の末裔だ。
だが、ある日、戦争によって滅ぼされ、王になるという志半ばに死んだ。
そんなナイリーがアンデットとして蘇り、そして、今や王にまで這い上がった、流石は王家の子だ。
そして、ナイリーと話す時だけは王にふさわしい話し方をするように心がけている。
「……我のことは誰から聞いたのだ?」
「ランバートからだ、あいつにハリスに行った時にあったら教えてくれた」
「左様か……ハリス……あぁ、なるほど?」
「?何がだ?」
「どうせネーヴェ、貴様のことだ、新たな魔王を止めるべく立ち上がったのであろう?
ハリスへ寄ったのも、魔力の封印を解くため、そして、我の元へ来たのは……呪いのローブが目当てと言ったところか?」
「……ナイリー……流石だな、その通りだ、呪いのローブをくれまいか?」
「ふむ、是非ともやりたいところだが……もっと良いものがあるぞ?」
「……ほう?」
「我は元々糸を使った戦いを好むのは覚えておるな?」
「あぁ、よく魔法を込めて糸を奮っていたな、それがどうした?」
「うむ、我は糸使いのスキルレベルが最近になってやっと25を超えた」
「……25……?なんだその化け物レベルは……」
「そのおかげで今まで触れることさえ叶わなかったとある糸を操れるようになった」
「……それは?」
「その糸の名は……」




