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魔王は隠居をやめる  作者: 春アントール
新たな世界へ
10/100

聖国ハリス

「……久しぶりに来たね、ハリスに」


「だなぁ」


「……あ、お前は!」


「ん?……あぁ、勇者君か、良ければここを通して貰えないかな?」


「悪いがそれはむ……」


「任せてください!」


「マチア!?」


「ありがとう、マチア」


「いえいえ……氷魔王様に名前を覚えていただいていて嬉しいですねー」


「……そこら辺の魔族よりもネーヴェに惚れてるな……なんでだ?」


「僕が聞きたいところだけど……まぁ、また考えよう」


「それじゃあ、一緒にハリスに行きましょー私達も聖女様に力を借りに来たんだー」


「へぇ、聖女……懐かしいなぁ……あの子強かったなぁ」


100年と少し前に力ずくで世界を平和にしようとした時ぶつかった相手だ。


あの聖女は聖女のくせに腕っ節が強かった……しかも殴ったところが浄化されるとかいう……本当にキツイ相手だったなぁ。


「……そうだ、マチアに全部言われたが俺たちはここに聖女様の力を借りに来た」


「そうかい、それは大正解だね、聖女は……本当に強いから」


「……氷魔王様がそんなにいうほどに?」


「うん、今の僕よりもあの時の彼女は強かった……まぁ、近代の聖女がどんな人なのかは知らないけどね

まぁ、僕達は僕達の目的を果たすよ」


「わかりました!また会いましょうね!」



「……ねぇ、ザクラ様」


「なんだ?ローズ」


「ネーヴェ様の魔眼って今どこにあるの?」


「……どっかに封印したんだったか?

……あ、そういう事か」


「うん、あの時のネーヴェ様って、魔力も筋力も、魔眼もほとんど限界まで削ぎ落とした状態だったのにあれだけ強かったんですよ?……今度は本当にどんな化け物になるか……」


「……現魔王が気の毒になるぐらいだ……」


「そういえばザクラ様、ネーヴェ様に勝てましたか?

弱くなったネーヴェ様に」


「……いや、勝てないよ……なんでなんだろうなぁ?」


「そうですよねぇ……少し失礼ですけどザクラ様は私よりも弱いですからね、四天王最弱所か、幹部に負けるレベルですから……まぁ、伸び代を見込まれて四天王になったんですから、期待を裏切らないようにしないとですね」


「……まぁ、そうだな、俺の固有スキルが上手く使えるようになるまで……だな」


「本当に……上手く使えれば相当強い能力な筈なんですけどね……あなたの『勇敢な者(ブレイバー)』は……」


「……だな」


「2人とも、着いたよ、封印したところに」


「……だな、ほら、さっさと封印解けば?」


「……だね……封印解除っと」


魔力を取り戻した。

これで魔法が使い放題!


そう言えば『昔の』成長を記す紙(ステータスノート)には『魔力』が書かれてなかったな……なんでなんだろうか?

ま、ステータスを見る技術も5000年もすれば進歩してますよ……

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