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第十七話 vsオーガ 後半

本日最終話!

 


 バトラは自分より一回りと大きい弟オーガと相対していた。 弟オーガは両手で大きな棍棒を振り回していた。


「ふぬぅん!!」


 掛け声と同時に、大きな棍棒でバトラを叩き潰そうとする。バトラは下手に懐へ飛び込まずに、距離を取っていく。バトラの得物は槍だが、棍棒の方がリーチがある。それに、大きな棍棒を振り下ろした瞬間を狙って、懐に入ろうとしてもーーーー


「チッ!」


 懐に入ろうとしたが止めにして、舌打ちをしつつ、後ろに下がっていた。その判断は正解だったようで、大きな棍棒が振り回された時に起こされた風が頬を撫でる。もし、懐に入っていたら、間違いなく横薙ぎによって吹き飛ばされていた。

 弟オーガは技術を持たないが、力尽くで切り返しをする程の馬鹿力を持っていた。その力付くで切り返しをするその早さが、懐へ入ることを許さなかった。


「流石、ボスと名乗るだけはあるな」


 初めに殺したオーガとは違う、確実な強さを持っていた。技術はないが、馬鹿力は侮れないと感じていた。だが、侮れないだけで勝てないとは思ってなかった。


 アリスから貰った力は半端じゃないな。新しいスキルを幾つも覚えたし。


 名付けされたバトラのステータスはこうなっていた。



 ステータス

 名称 バトラ

 種族 大鬼族オーガ変異種

 称号 ”アリスの配下”

 スキル

 希少スキル

識別者シルモノ


 通常スキル

『思考』、『魔力操作』、『武器錬成』、『魔力察知』、『自己再生』、『身体強化Ⅱ』、『武器強化』



 名付けで手に入れたスキルは『身体強化Ⅱ』と『武器強化』だ。これがあるから、兄弟オーガに負ける気はしなかった。

 それに、『識別者シルモノ』もある。その能力は、目で見たものを瞬時に理解して自分の知識と経験になって、人一倍に賢しくなり、強くもなれる。ただ、理解には前提となる下地が必要になる。

 例えば、魔力や魔素のことで理解をしたいなら、まずはその存在があることを知らなければならない。技術も、見ただけでもわからない部分があり、それが理解出来なければ意味がない。

 面倒な能力の扱いかもしれないが、下地さえ出来れば、強力な能力となって周りよりも速く強くなれる。


「まずは、懐に入らないと始まらないか。弟オーガの切り返しは早いが…………」


 見ただけで経験がどんどんと積まれていき、バトラは隙を見つけた。切り返しは早いが、全ての方向から来る切り返しスピードが全く同じ訳ではない。


 全ての切り返しで、下から上へ切り返す攻撃が一番遅いとわかった。その小さな隙だが、バトラは確実にその隙を突き、懐へ入った。そして、バトラは新しく手に入れた2つのスキルが発動される。


「『虎突』!」


『身体強化』は『身体強化Ⅱ』へ引き上がり、力と速さが一段と強化されて、手に持つ槍も『武器強化』で強固になっていく。

 強化された槍の勢いは、風も斬り裂く程だった。穂先は魔石がある胸の中心へ向かい、筋肉繊維をあっさりと破ってーーーー


「アガッ!?」

「呆気なかったな……」


 魔石まで届き、バラバラに砕かれた。魔物の生命の塊である魔石を砕かれ、弟オーガは目から光を無くして倒れた。


「さて、アリスの方は…………やっぱりな」


 弟オーガから武器を抜き、アリスの手伝いは必要かと、アリスの方へ眼を向けてみたが、その必要はないとわかった。




 アリスは既に終わらせていた。兄オーガの両手両足をバラして、胸を魔爪で突き刺している姿があった。












「うーん、弱いな。変異種よりネームドモンスターの方が強いのかな?」


 アリスは『狂気発作』と『愚焔』を使わず、『魔爪』だけで勝っていた。


(いや、俺が強くなったからなのか? 比較できないからわからんが、色々と吸収しているから強くなっているんだろうな)


 今も周りにある死体から魔素と魔力を吸収し続けている。まだ吸収している時に、声が聞こえてきた。



 《条件を達しました。希少スキル『暗闇眼ダークネス』に『白蒼魂視』が追加されました》

 《通常スキル『激昂発作』を獲得致しました》



(新しいスキルが来たか! 激昂は怒りか? 効果は……狂気発作に似ているな。理性がなくなるみたいだが、俺なら問題はないな。『白蒼魂視』って、魂? ……まぁ、使ってみればわかるか)


 アリスは試しに『白蒼魂視』を発動してみたら、兄オーガは真っ白のオーラを纏っているように見えた。しかも、その白いのは少しずつ虚空に消えていくようだ。

 それで、アリスはこの能力は何なのか理解した。この能力は魂を見る効果があり、魂がある生き物であれば、森奥にいる動物であっても、ハッキリと見える。


「まさか、白いのが魂って奴か。死んでいるから、少しずつ消えていっているんだな。ふむ、蒼は生きている者を指すのか? 死んだら白くなるのか?」


 右眼でバトラを見てみると、蒼いオーラを纏っているのがわかった。濃い蒼い色ではなく、少し薄めたような蒼だったが。

 そして、周りを見てみたら森の中に4つの蒼が見えた。その色はバトラと同じか、少しだけ濃いのが1つだけいた。


(ん? 形が人型に見えるな。オーガの生き残りなら、逃げているはずだ。なら、あそこに隠れている奴は誰だ?)


 スキルの検証中だったが、アリスは森へ視線を向けて言葉を発していた。やや、威圧を込めてだ。




「そこにいるのは誰だ?」






どんどんと投稿してきましたが、ここまではどうでしたか?感想はいつでも受け付けていますので。


次は明日の7時になります。

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