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【アニメ化決定】ヒロイン?聖女?いいえ、オールワークスメイドです(誇)!  作者: あてきち
番外編

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あんまりすぎる女神の啓示

「うっ、眩しい……」


 瞼の裏を通り抜ける光の気配に、マクスウェルは目を覚ました。しかし、そこは自分の寝室ではなかった。


「どこだ、ここは?」


 そこには何もなかった。ただ、真っ白な空間が広がるばかり。夢でも見ているのだろうかと首を傾げていると、彼の頭上から声が響いた。


『ようこそ、マクスウェル』


 見上げると、そこには眩い光を放つ球体が浮かんでいた。それはゆっくりと下降し、やがてマクスウェルの目の前に降り立つ。そして光の球体は消え去り、中から大変美しい女性が姿を現した。


 マクスウェルは状況が理解できず、困惑した様子で尋ねる。


「……どなたですか?」


『わたくしは辛辣なる真実を司る女神メタ。本日、あなたに悲しい事実を伝えるためにやってきました』


「それは、嬉しくない訪問ですね」


 どうにか微笑もうとするが、口元が引き攣ってしまう。きっとこれは夢なのだろう。マクスウェルはそう思った。


『ええ、辛辣なる真実など本来、誰も知りたくはないでしょう。しかし、わたくしは心を鬼にしてあなたに伝えなければならないのです……マクスウェル、あなたをテコ入れするために!』


 女神メタはカッと目を見開いた。


「は? テコ……?」


『麗しき美形キャラという設定を与えられながら、主要男性キャラの中で最も目立たないあなたにはテコ入れが必要なのです! イケメンのくせに没個性とかどういうつもりなのかしら!』


「う、うーん……?」


 いきなり没個性などと罵倒され、マクスウェルは怒りよりも困惑が勝った。女神メタが何を言っているのかさっぱり理解できない。


「あの、別に目立たなくても問題ないのでは? あまり目立つと、その……」


『どうせ変な女性が寄ってきそうで怖いとか言うつもりでしょう。しかし、攻略対象者でありながらあなたの脇役感はかなりまずいのです。ここでテコ入れしなくては大変なことになります』


「は、はあ。テコ入れというのがよく分かりませんが、そんなに問題でしょうか?」


『大問題です! あなた以外はしっかりとした個性を確立しているのですよ。まず、転生者にして夫婦漫才をする王太子。次に、ヒロインの秘密を知り、ヒロインに恋するヘタレ騎士。そして、過酷な過去を持ち、なおかつその記憶を失ったうえに十歳の少女とちょっといい感じの無口キャラ』


「十歳の少女とちょっといい感じは衛兵案けーー」


『続いて転生者で皇子でチャラくて弄られキャラなイケメンと、ついでに兄にコンプレックスを持った男装の麗人……男装の麗人だなんて男性役も女性役もやれてとってもお得ですね!』


「そ、それはよかったですね」


『よくありません! あなたの周りには弄りやすい男性キャラがたくさんいるというのにマクスウェル、あなたときたら大した掘り下げもなく美形以外の特徴がないだなんて、一体どうなっているのかしら』


「……私に言われても困るのですが」


 女神メタに詰め寄られ、マクスウェルは答えに窮した。いや、本当に、そんなことを言われても自分にはどうすることもできないではないか。


『今回だって、あなたらしい面白い物語がなかなか思い付かなくて、こんなクレームまがいのお話が出来上がってしまったのですよ。反省していただきたいわ! 絶対にテコ入れしなくては。何かこう、誰もがびっくりするような大胆にして悪辣な個性を追加して……』


「いや、だから、それは私のせいではな、あ、ちょっと、近いです、女神さ――っ!」


 ぐいぐい近づいてくる女神を避けるように仰け反った瞬間、マクスウェルは後ろから転倒してしまう。後頭部にガツンと衝撃が走った。




◆◆◆




「マックスさん!」


 暗い視界の中、聞き慣れた少女の声が脳裏に響き、マクスウェルは瞼を開いた。ぼやけた視界がゆっくりと明瞭になっていく。


「大丈夫ですか、マックスさん」


 マクスウェルの視界に、心配そうにこちらを見つめるメロディの姿があった。


「……メロディ? どうしてここに?」


「覚えてないんですか、マックスさん? どうしよう、お医者様に診せないと」


「……いや、大丈夫。思い出したから」


 自分が床に倒れていることを思い出したマクスウェルは、まだ少しクラクラする頭を押さえながら起き上がった。


 お忍びで王都を歩いてたところに偶然メロディと遭遇した彼は、最近開店したばかりのカフェにメロディを誘ったのだ。そこでうっかり人とぶつかって転んでしまったのである。


「本当に大丈夫ですか、マックスさん」


「ああ、大丈夫……だけど、何だか酷い夢を見てしまったよ」


「夢? たった数秒の間に? どんな夢だったんですか?」


「えーと……ちょっと思い出せないな」


 本当に思い出せない。いや、思い出せなくてよかったのかもしれない。マクスウェルはそう思うのだった。






『いつかきっと……』


 一瞬、背筋が凍り付いた気がしたが、マクスウェルは気のせいだと思い込むことにして、メロディとのお茶を楽しむのだった。


番外編は本編に反映されません。ご注意ください。

……うん、ちょっとふざけ過ぎちゃいました。

なんかすみません。

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― 新着の感想 ―
正直、一番応援出来る攻略対象だと思ってる。 というか、他の奴がどいつもこいつもアレだし、特にレクトは論外。
一瞬今日って4/1だったっけって思わず確認しちゃった。
10歳の少女といい感じが衛兵案件なら、14歳の少女に恋しているヘタレも衛兵案件では?
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