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忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~  作者: ma-no
拾壱 ライブ

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68 罠の巻き


「……時間を稼ぐとか言ってなかった?」


 東郷との定時連絡を終え、ジヨンの説教を終え、半荘は食堂で動画を見ながらダラダラしていた。


「ん?」


「ん? ……じゃないわよ! あれだけカッコいいこと言って盛り上がっていたじゃない!!」


 怒りの再燃したジヨンに、半荘は面倒くさそうに言い訳する。


「だって俺から攻めると即開戦だろ? だからいま現在、時間を引き延ばす作業をしてるんだ」


「だったら、準備するとかあるでしょ!」


「う、うん……」


 半荘は、ジヨンの怒りの表情にたじたじ。

 重たい腰を上げ、洗濯室で洗っていた忍び装束に着替えて、食堂にてダラダラする。


「……準備はそれだけ?」


「えっと……まぁ……これですぐに動けるかな?」


「はぁ~~~」


 大きなため息を吐くジヨン。

 半荘の、あまりにもやる気のない態度に呆れ果てたようだ。


 そこからはジヨンも半荘にツッコム事をやめ、自分のスマホをいじりながら時が過ぎるのを待つ。



 昼食を終え、食後のコーヒーを飲んでダラダラしていると、半荘は立ち上がった。


「まさか……動きがあったの?」


「トイレだ」


「またあなたは……」


 ジヨンにふざけているとジト目で見られた半荘は、真面目な顔で喋る。


「何か感じるから、いまの内にジヨンもトイレに行っておいたほうがいいぞ」


「まるで映画の前みたいな言い方ね……」


「漏らしてもしらないからな」


「わかったわよ」


 ジヨンの冗談に、半荘は笑いもせずに食堂から出て行き、ジヨンも続く。

 トイレを済ませた半荘は定時連絡を取り、日本政府の進捗状況を聞くが、まったく進展が無いと聞いて、ため息を吐く。



 定時連絡の数分後、半荘はジヨンの顔を見る。


「ドローンが来たっぽい」


「今日は多いわね」


「それだけ切羽詰まっているんだろう。念のため、電子機器は預かるよ」


「ええ」


 金属製の箱に、スマホ等の電子機器を全て入れて鍵を掛けると、半荘は基地から出て、港にてドローンを待つ。


「あれ? 向こうに行ってしまった……」


 韓国からのドローン到着位置はいつも一緒だったのだが、今回は違うようだ。

 建物の無い島に飛んで行き、岩肌に何かを落として、その場所でホバーリング。

 ドローンは、何かを探しているようにも見える。


「お~い……届け先を間違うなよ~」


 落とした物を、ドローンが拾おうと頑張っているように見えた半荘は、海を走ってお隣の島にお邪魔する。

 そこで手紙を拾った半荘は、ドローンのカメラに向けて手を振り、離れて行く姿を見送る。


「へったくそな操縦だな。いつもの奴と違うのか?」


 ドローンは竹島から離れて行くが、右に左に蛇行して、あまり進んでいない。

 そんなドローンを見ていても仕方がないと割り切った半荘は、手紙に目を通す。


「ふ~ん……最後通告か」


 手紙の内容は、「ただちに独島から出ないと命は無い」との脅し。

 いつもより強い口調で書かれていた。


 半荘は手紙を読み終えるとくしゃっと握り締め、ドローンのプロペラの音を聞きながら建物のある島に振り向く。


「あ……ドローンがもう一機……マズイ!!」


 半荘が振り向くと、韓国艦隊に戻ろうとしていたドローンとは別に、基地に向かうドローンが飛んでいた。

 そのドローンはすでに基地に近く、半荘は急いで戻るが、海を渡り切ってクナイを構えたところで、基地の真上から四角い物体が落とされた。



 その数秒後、四角い物体が基地の屋根に接触した瞬間、爆発音と甲高い音が響き渡るのであった。


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