表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~  作者: ma-no
玖 失敗

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

58/94

58 国連会議 其の二


 国連会議は韓国のヨンホと、日本の島田の口喧嘩で笑いが起こっていたが、議題は忍チューバーだけでない。

 参加者が大多数となった事で、この機に、前回話がまったく進まなかった議題を

次回の総会の前に少し進めようと議長は考えた。

 なので、一番の関心事なのだが、日本と韓国のクールダウンを待つ間に、違う議題を話し合う事となった。


 それからは、だいたいが中東関係の話で、アメリカとロシアが主導で話し合うのだが、ほとんどの国はあまり話に入ろうとしない。

 遠い他国の話なので、関係の無い事だと思っているのだろう。

 それに、大国に睨まれる事は、国益にそぐわないと口を閉ざしてしまっている感が大きい。


 ただし、アメリカとロシアは違う。

 日本と韓国とのやり取りと同じぐらいバチバチとやり合い、結局は何も解決案を示さないまま話は終わった。


 議題は移り、南シナ海の話に移ると、今度はアメリカと中国がやり合い、ここでも他国は話に入ろうとしない。

 唯一入るとしたら近隣諸国だけで、それもアメリカに泣き付くか、中国に味方するかぐらいなので、やはり何も決まらないまま終わる。


 結局、何も話が進展しないので、議長を務める者は忍チューバ―の話に戻す。

 と言うより、出席者が飽きていたので、面白い話をしたくなったようだ。



 一息ついた議長は、ニヤニヤしながら日本と韓国を見る。


『それで、どうするのですか?』


 ざっくりとした質問に、我先に手を上げたのは韓国のヨンホ。


『我が国の問題なのですから、誰も口出ししなくて問題ありません。それと、日本艦隊には帰還を求めます。このままでは、宣戦布告と受け取ってしまいそうですからね』


 ヨンホの言葉が途切れると、議長は日本の島田を見る。


『我が国の領土「竹島」で、我が国の国民が砲撃を受けているのですから、韓国には即刻、艦隊の帰還を求めます。先ほど宣戦布告とおっしゃっていましたが、韓国の行動こそ、宣戦布告だとわかっておっしゃっているのですか?』


 島田の発言で、場がピリリと引き締まる。

 ヨンホからしたら、「独島」を「竹島」と呼ばれたから怒りを覚えるのだが、他国からすれば、日本の領土で起こった事だと感じたようだ。


『「独島」は我が国の領土です! 自国にテロリストが上陸して、自衛をしたに過ぎません!!』


『いえ。「竹島」は我が国の領土。サンフランシスコ平和条約にも、韓国に返還する島に、竹島は含まれていなかったでしょう。この事から「竹島」は、間違える事もなく、我が国の領土です』


『我が国の警備隊が、70年以上常駐している島が日本の領土なわけがないでしょう』


『戦後のどさくさで奪っておいて、どの口が言うのだか……』


 二人のラリーは忍チューバーから離れ、どんどん領地問題へと移り、周りの出席者は何故かガッカリしている。


『「独島」は、日本に侵略されて奪われたのですから、非道な日本から取り返したまでです』


『またファンタジーですか……韓国人は、ファンタジーが好きですね』


『何処がファンタジーだと言うのですか!』


『そもそも、日本は韓国と戦争をした事がありません。自分の都合のいいように歴史を歪曲するからファンタジーだと言うのです。忍チューバーの件でもそうでしたでしょ? 漂流して助けを求めた忍チューバーを殺そうとしたにも関わらず、テロリストに仕立て上げた。こんな国の言葉、誰が信じます??』


 場がしらけかけたと感じた島田は、忍チューバーを出して皆の注目を集めた。


『忍チューバーと、いまの議論は違うでしょう!』


『いいえ。同じです。嘘をついて「竹島」を自国の領土と言っているのですからね』


『嘘なんてついてません!』


『では、国際司法裁判所で、白黒ハッキリつけましょう』


『そ、それは……』


『できないのですか?』


『我が国の領土と決まっているものを、わざわざ国際司法裁判所に委ねる必要はないですからね』


『皆さん聞きました? 韓国は自信が無いから逃げました。嘘をついているから、ハッキリさせたくないのです!』


 口喧嘩は島田が勝利……


『皆さん! 世界大戦を起こした戦犯の国を、信じるのですか!!』


 のように見えたが、一発でひっくり返されてしまった。

 いまだに国連の敵国条項が効いているようだ。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ