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忍チューバー 竹島奪還!!……する気はなかったんです~  作者: ma-no
捌 助け

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47 贈り物の巻き


 昼食の席で恐怖していた半荘は、空気を変えるために、ジヨンを基地の外へと連れ出す。


 外に出ると、ジヨンの鼻に硝煙のにおいが飛び込み、顔を歪める事となった。

 しかし半荘は、その事に気付かずに、爆撃で損傷した港まで移動する。


「見えるだろ? あれが韓国の船だ」


 半荘の指差す水平線に、船がずらっと並んでいるが、ジヨンは素直に喜ぶ事ができないようだ。


「アレに乗ったら、私の命が危険なのよね……」


「まぁな~。じゃあ、次は日本の船を見に行こう」


「ちょっと待って。ここの穴って、どうしたの?」


「見ての通り、爆撃を受けた跡だ」


 港には、数か所穴があるものの、聞いた音と数が合わないので、ジヨンは隣の島を見る。


「戦闘は、あっちの島だったのね」


「ああ。建物が吹っ飛ぶと寝泊まりに困るからな」


「そこは私が居たからじゃないの~? そんなんじゃ、モテないぞ」


「う、うん……」


 やけに距離が近くなったジヨンに、半荘はたじたじ。

 女性に顔を(のぞ)き込まれる事も初めてなので、ヘタレで照れているのもあるが、ジヨンの本性を知ってしまったからには、恐怖で体が硬直してしまうのだろう。


 そうしてジヨンは隣の島を見てみたいと言って来たので、岩肌を道なりに登って、そこから全容を確認する。


「うっわ。クレーターだらけ……。本当に、よく生きていたわね」


「忍チューバーだからな」


「それで納得できるわけないでしょ!」


 とうとうツッコんでしまったジヨン。

 本当にそれで納得するわけがないのだから、半荘は首を傾げないでほしい。


「もういいわ。それで……あっちが日本艦隊? あれに乗ったら、生きてこの島を出れるのよね?」


「そうだな。ジヨンは不安に思うだろうけど、俺が絶対に守るから、任せてくれ」


「いまのはプロポーズかしら?」


「ち、ちが……」


「照れちゃって~?」


 顔を赤くして反論する半荘に、ジヨンはからかうのをやめない。

 そうして遊んでいると、半荘の耳に音が飛び込んで来た。


「シッ……」


 半荘の真面目な顔に、声を出し掛けたジヨンは押し黙る。


「この音は……」


「音??」


 波の音しかジヨンには聞こえず、気になって、つい質問してしまった。


「プロペラの音がするんだ」


「プロペラ? そんな音はしないけど……ヘリが飛んで来てるってこと?」


「小さいから、たぶんドローンだな。念のためジヨンは基地に隠れていてくれ」


「わかったわ」


 ジヨンが基地に向かう中、半荘は耳を澄まし、ドローンの到着予想地点に向かって、岩肌を滑り降りる。

 そこで待っていると、一直線に飛んで来るドローンが目に入った。


 ドローンは低空飛行を続け、進路を調整しながら半荘の元までやって来た。

 半荘は警戒しながら見つめ続け、高度を下げたドローンが段ボール箱を降ろして去って行くと、その場所に近付く。


「ユーパック??」


 段ボール箱には「ユーパック」と書いてあり、日本艦隊の方向から飛んで来た事と、洒落が利いた届け物という事もあり、半荘は開ける事を決断する。


「まさか爆発しないよな……」


 半荘はいつでも逃げれる体勢で慎重にガムテープを剥がし、中を確認する。


「奇妙な鉄の箱と手紙か……箱は爆弾か?」


 ひとまず安全そうな手紙を読んだ半荘は、金属製の箱も慎重に開けてしまう。


「おお~。本当にスマホが入ってる。こっちはポケットWi-Fiか?」


 手紙の差出人は、海上自衛隊。

 その内容は、半荘が一番欲しがっているであろうスマホ二台とポケットWi-Fiを贈るとあり、衛星回線で使えるとなっている。

 それと……


 プルルル~♪ プルルル~♪


 金属製の箱を開け次第、電話を掛けるとも書いてあった。


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