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たぶん9千5百年くらい前の古代オリエントのエリコに転移したけど意外とのんびり暮らしてる件  作者: 水源


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春の野原は花がいっぱいだ

 さて、エリコの冬は殆どの年は雪はふらないし、雨も降るので湿度も高く、そんなに厳しいものではないが、やはり冬が明けて春になり暖かくなるのは良いものだ。


 そしてリーリスのお腹もだいぶ大きくなってきた。


「そろそろお腹もだいぶ大きくなってきたし、あんまり無理をしないようにしてくれな」


俺がそういうとリーリスは笑っていう。


「ええ、ちゃんとわかってますよ」


そして俺は娘にも言う。


「お前さんもお母さんに無理をさせないようにしてくれな」


それに対して娘は元気よく答えた。


「わーった」


 雪解けでヨルダン川が溢れる前に野原の草花は一斉に色とりどりに花を咲かせその間を蝶などがひらひらと舞っていたりするのは平和でいい。


 川べりや野原に咲くそれらの植物は美しく、色とりどりに咲いているのはアネモネ、ヒナゲシ、チューリップ、スイセン、ヒヤシンス、クロッカス、シクラメンなどでこのあたりが原産地の観葉植物は意外と多い。


 その他にもアザミの仲間や野薔薇も咲いているが当然それらには棘があるので娘が触らないように注意しないとな。


 娘もリーリスも嬉しそうに花を眺めている。


「すごーい、きれー」


「ほんとうに綺麗ね」


「ああ、春が来たって感じるよな」


 そして俺達夫婦は娘にアイシャという名前をつけた。


 これは”生きる”という意味だ。


 これからものびのびと元気にそだってほしいからな。


「アイシャ、それは棘があっていたいから触るなよ」


 俺は野薔薇の花に近づこうとしていたアイシャに言う。


「いたいのー?」


「ああ、棘が刺さるとすっごく痛いからな」


「いたいのやー」


 リーリスが笑う。


「触らなければ大丈夫よ。

 いい香りがするから触らないように近づいてみて」


「あい」


 リーリスの言葉に従って野薔薇に近づくアイシャ。


「ほんとー、いいにおー」


「でしょう、でも危ないからそれ以上は近づかないほうがいいわね」


「わーったー」


 リーリスとアイシャはニコニコしながら野薔薇を見つつその香りを楽しんでいるが俺は微妙に暇だ。


 女は細かい色の差異や香りの差異などを感じられるが、俺はただでさえ鈍い男で更に現代からの転移者だからな、たしかにいい香りではあるがあんまり強くは感じない。


 今頃は亜麻の収獲の季節でもあるんだが、まあそこまで必死になって刈り取りを行わなくてはいけないほど服には困ってない。


「じゃあ、クローバーの花かんむりでも作るか」


 クローバーが辺り一面に白い花を揺らしていっぱい咲いているとつい作りたくなるよな。


 花冠やブレスレットなんかは定番だ。


「なるべく長いやつを選んでっと」


 花冠などを編むときに使うクローバーはやっぱりできるだけ茎が長いもののほうが編みやすくて良いからな。


 あとは2本の芯になる茎に、別の花を横になるように置いてぐりっと巻きつけてその茎と芯を一緒に持つ、後はまた新しい花を巻きつけて茎を一緒にしていく。


 それを繰り返して頭に載せられるほどの大きさに丸く輪っかにすれば花冠、腕を通せる程度の大きさで輪っかにすれば腕輪だ。


 編み物に比べれば単純だがまあそれなりに手間がかかる。


 やがて、リーリスとアイシャが俺のところにやってきた。


「とーしゃ、それなにー?」


 アイシャは首を傾げている。


「ああ、これはな」


 といって俺はアイシャの頭に花冠を載せてやった。


「あら、とっても素敵ね」


 リーリスがアイシャを見て微笑んだ。


「すてきー、とーしゃあいがとー」


 アイシャは見えてないだろうが嬉しいみたいだ。


「だろ?。

 リーリスの分はまだ作ってる途中だけどな」


「あらあら、私の分も?」


 そして娘もいう。


「あちしもやうー」


 俺は二人に笑っていった。


「じゃあ、皆で作ろうぜ」


「それがいいわね」


「あいー、みんなでやうー」


 俺は二人にクローバーの選び方や編み方を教えた。


 まあ、こういう作業は女性の方が得意だし、俺がもたもたやってるうちにあっという間に二人は輪っかを作り上げてしまった。


「とーしゃ、かーしゃ、はいー」


「あらあら、はやいわねー。

 じゃあ、あなたたちに、はいどうぞ」


「お前さんたち、俺が一つ作ってる間に2つ作り上げるとかとか早すぎだろ」


 まあそんな感じで俺たちはポカポカ陽気のクローバーの咲く草原の上で皆で頭に2つずつクローバーの花冠を載せ笑いあったのだった。

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