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親友に裏切られ婚約者をとられ仕事も住む家も失った俺、自暴自棄になり放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました  作者: 空地 大乃
第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編

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第93話 退院日の異変

 検査入院の為、一日だけ入院し、次の日も午前中はほぼ検査で過ぎていった。正直待ち時間の方が長かった気がしないでもないけどこれは仕方ないかな。


 最終的な検査結果は異常なしであり、医師からも太鼓判を押された。こうして午後から無事退院となったわけだけど。


「本当無事で良かった~」

「銃で撃たれてその程度とか本当ラッキーだったな」

「うむ。全て筋肉のおかげだな!」


 退院日、病院には愛川、熊谷、中山の姿もあった。退院祝いで来てくれたらしいんだよな。講習で知り合った仲だけど、心配してくれて病院まで来てくれるとは思わなかったよ。


「検査結果も問題ないみたいで良かったね」

「あぁ、それは本当に良かったよ」

「ワゥン!」

「ピキッ!」

「マァ~!」


 退院ということで秋月も来てくれていて、帰るための支度も手伝ってくれたんだよな。本当今回秋月には世話になりっぱなしだ。


 そして俺の退院をモコたちも喜んでくれていた。


「風間はもう食べるのも問題ないんだろう?」

「あぁ。それは特に制限もないんだ。昨晩も差し入れしてもらったチキンを皆で食べたぐらいだし」


 モコたちもチキンは喜んで食べていたな。今度鬼輝夜の皆に会ったら改めてお礼を言わないと。


「うむ。それなら一緒に昼でもどうだ?」

「賛成! 結局昨日は打ち上げこれなかったもんね。秋ちゃんもどうかな?」


 愛川が秋月にも聞いていた。それにしても秋ちゃんか。いつの間にか愛称で呼び会えるぐらい仲良くなっていたんだな。


「そうだね。折角だからどうかなハ、風間さん?」

 

 秋月が俺に聞いて来た。いま一瞬ハルと言いかけたのかもだけど、皆の前で照れくさかったようだ。


 いや、そんな言い方されると俺も妙に照れくさいんだが。


「どうしたんだ風間。顔赤いぞ?」

「え? あ、いや、ちょっと熱っぽかったかな? あはは」

「何だ大丈夫か? 看護師を呼んだほうがいいか?」

「いや、本当大した事ないから! 大丈夫大丈夫!」

 

 熊谷と中山が気にかけてくれたが、両手を振りつつごまかした。だけど何か愛川がジィ~っと俺を見てきてるんだが。


「二人ってもしかして何かあった?」

「な、何もないよ! 本当普通だからね」

「そうそう普通普通」

「ふ~ん」


 何か愛川が目を細めて俺たちを見てきてるんだが、いや本当特に何かあったってわけでもないんだけど参ったな。


「ま、問題ないなら昼飯に行こうぜ。俺いい店知ってるんだよ」

「ほう。それは筋肉に良い店か?」

「いや、食い物ぐらい筋肉から離れてもいいだろう」


 中山に呆れる熊谷だが、とにかく皆で熊谷のオススメの店に行くことになった。


「ここが俺のオススメの店だ。ちょっと小汚いが味は保証するぜ!」

「小汚いは余計だ!」


 熊谷の案内でやってきた店は昔からある定食屋といった雰囲気のある店だった。どうやら熊谷の友だちがやっている店らしく、だからか熊谷の発言にも店主は本気で怒ってはいないようだ。


 実際は小汚いと言うよりは年季が入っている店って感じかな。寧ろ掃除は行き届いていると思う。


 既にお昼は過ぎていて午後の一時も過ぎていたが、かなり席は埋まっているし熊谷がオススメするだけあって人気なんだろうな。


「匂いが美味しそう。これは期待できそうかも」


 愛川が鼻をひくつかせながら言った。確かに店内には料理の美味しそうな匂いが漂っていた。


 こうして俺たちは熊谷のオススメの店で昼食を摂ることにした。俺はトンカツ定食を、モコたちは唐揚げが食べたそうだったので大皿で注文した。三匹は勿論みんなで分け合えそうだからな。


 ちなみに中山はスタミナ定食で熊谷はガッツリ焼肉定食、愛川は定食屋の熟々煮込みカレー、秋月はエビフライ定食だった。


 それから食事が届くまでは雑談を交わし、その内に料理が届いた。俺が頼んだトンカツ定食は衣もサクサクで肉はジューシー、添えてあるキャベツも甘みがあって実に美味しかった。


 流石オススメなだけあるな。モコ、ラム、マールの三匹も唐揚げが気に入ったようでモリモリ食べていたし、他の皆も味に大満足だったようだ。


「確かにこれは美味いな。筋肉にも良さそうだ」

「お前は本当筋肉ばかりだな。だけど気に入ってもらえて何よりだぜ」

「うん! カレーも本当美味しい!」

「エビフライも大きくて最高です」


 皆が舌鼓を打っていた。その様子に店主も満足そうだ。こうやって皆でお昼を楽しむのも悪くないななんて思いつつ、ふと店内に設置されていたテレビに目がいった。


 するとそのタイミングで画面が切り替わり、真剣な表情のアナウンサーが映し出されていた。緊急速報のテロップも表示されているし一体何があったのだろう?

 

『番組の途中ですがここで緊急ニュースをお伝え致します。◯◯時◯◯分頃、陽輝山にてダンジョンが発生しその際に生じた穴に遠足に来ていた教師と生徒が巻き込まれ――』

「え? う、嘘これって……」


 そのニュースを聞いた瞬間、秋月の顔色が変わった。俺も言葉を失った。陽輝山の遠足ってまさか――

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