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親友に裏切られ婚約者をとられ仕事も住む家も失った俺、自暴自棄になり放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました  作者: 空地 大乃
第二章 冒険者登録編

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第68話 講習当日

 昨晩は秋月の父親に大分しごかれたけど、目覚めはスッキリしていた。稽古をつけてもらった後にしっかりマッサージを受けたのも大きかったのかもしれない。


 ちなみにマッサージを施してくれたのは秋月の母親だったんだよなぁ。何かそういう資格も持っていたようなんだけど最初は異様に緊張した。


 でもマッサージを受けている間に気持ち良すぎて寝てしまったりもした。俺だけじゃなくてモコ、ラム、マールも受けていたけど、やっぱり気持ち良すぎてリラックス出来たのかウトウトしていたし。


 とにかくそんなわけで体調も万全な状態で講習に挑めることになったわけだ。しかも朝から秋月が迎えに来てくれて、車で会場まで送ってくれることになったんだ。


「昨晩はよく眠れましたか?」

「あぁ。あれだけの稽古の後だけど何だか全身軽いんだよな」

「そっか。お母さんの整体はやっぱり凄いよね。私も習おうかな……」

「うん? それはやっぱり門下生の為に?」

「…………」


 あれ? 何か急に視線が冷ややかになったような――き、気のせいかな。


「そ、そういえば動画はどうかな? あれから伸びてる?」

「あ、うん。メインの動画も投稿したけどこっちもかなり伸びててもうすぐ100万再生いくかも!」


 興奮気味に秋月が教えてくれた。


「おお~それは良かった」

「うん。皆のおかげだよ~ありがとうね」

「ワウ!」

「ピキッ!」

「マァ♪」


 秋月から御礼を言われて三匹は嬉しそうにしていた。動画が伸びたのも皆の協力があってこそだよなぁ。何より三匹の可愛らしさが視聴者を惹きつけたのだろうし。


「えっとこのあたりかな?」


 そうこうしているうちに講習を行う会場近くまできた。秋月が案内マップを見ながら探していた。


「あそこじゃないかな」

「あ、そうだね!」


 俺が指さした方を見てハッとした顔で秋月が答えた。そこには冒険者用の講習会場という案内表記があったからな。


 その後は会場の前で車をとめてくれたので俺は皆と一緒に降りた。ここからは講習の予約をした俺とテイムしたモンスターしか入れないから秋月はここまでとなる。


「私はここまでしか見送れないですが頑張ってくださいね」

「うん。ありがとう行ってくるよ」

「はい。あ、終わったら呼んでくださいね」

「いや、帰りまでお願いするのは」

「駄目ですよ! ただでさえ目立ってるんですからね。それに可能なら講習が終わった後の様子も撮りたいので」


 そういうことか。講習の事も配信するのは決まっていたからな。


「それじゃあ皆~講習ファイト!」

「ワオン!」

「ピキィ~!」

「マッ!」


 秋月が撮影している中でモコ、ラム、マールの三匹がポーズを決めていた。う~んノリノリだな。


「よし行くか」

「あの~そのモンスターは貴方の従魔ですか?」

 

 会場に入ろうとすると横から声が掛かった。見ると三人組の女性が立っていた。


「えっと貴方たちは?」

「私たちも今日ここで講習をうけるのですが、可愛らしいモンスターがいてつい」

「こんなに小さくて可愛いモンスターは初めて見たかも」

「あ、でも私最近動画で見たかも! 可愛いですよね~」

「ワン♪」

「ピキィ♪」

「マァ~♪」


 三人組の女性から可愛いと連呼されて三匹が嬉しそうだ。彼女たちも目を輝かせているし三匹に夢中みたいだな。


「あの、写真を撮ってもいいですか?」

「別に構わないけど」

「あ、それなら一緒にどうですか?」

「え? 俺も?」


 三人がスマフォのカメラでパシャパシャと撮影していった。可愛い可愛いと連呼していたが。


「ゴホンッ。風間さぁ~ん。こんなことしていて大丈夫なんですか?」

「え? あ、そうだ。君たちも講習遅れたら、ま、不味いよね?」

「あ、そうだ!」

「いけない!」

「急がないと!」

 

 そして彼女たちが会場に走っていった。


「良かったですね風間さん。モテモテで」

「あ、いやこれは俺じゃなくてモコたちに興味を持っていたわけで」


 な、なんだろう? 秋月の笑顔が怖いんだが――


「全く。デレデレしすぎて失敗しないでくださいよ」

「いや、デレデレなんてしてないって。それじゃあ俺たちも行くよ!」

「はい。気を付けて!」


 そして改めて秋月に見送られながら俺たちは会場入りすることとなった――

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