第59話 改めてステータスを確認してみた
名前も決まり新しく仲間に加わったマール、モコ、ラムの三匹が手を取り合って喜んでいた。それをみている秋月の顔が蕩けまくっている。
「はぁ、最高の癒やしを朝からありがとうございます~」
「確かに見てるだけで和むよな」
本当可愛いは正義だと思った。しかしマールは一体何のモンスターなんだろうな。
そういえば昨日の通話で親父が教えてくれたな。ステータスにアイコンか――俺は確認のために近くの壁にステータス画面を投影してみた。
ジョブ名:農民
装備者:風間 晴彦
ジョブレベル:2
戦闘力:E+
魔法力:D
信仰力:C
生産力:B
成長力:D+
スキル
土壌改良(8㎡)、土鑑定、耕作力向上(小)、栽培力向上(小)、農民用初級鍬術、鍬強化、土穴砕、天耕撃
>>
おお! ジョブレベルが上がってるじゃないか。それに天耕撃という新しいスキルも覚えている。だがそれよりも今大事なのは――
「あ、これのことか!」
「え? 何がですか?」
俺が思わず声を上げると秋月が興味深そうに俺のステータスを見てきた。
「あぁ、ここにほら>>というアイコンがあるだろう? どうやらこれでページみたいに捲れるようなんだ」
「あ! 確かに!」
「ワウン?」
「ピキュ?」
「マァ~?」
なになに~といった様子の三人も近くに来てステータスを見ていた。好奇心が旺盛だな。
「でもめくるってどうやると、あ、出来た」
何となく手で捲るような動きをするとページが切り替わった。なるほどこれで見れるのか。
使役しているモンスター
モンスター種:コボルト
ネーム:モコ
使役者:風間 晴彦
レベル:3
戦闘力:D
魔法力:E
信仰力:E
生産力:E
成長力:A+
特性
好奇心旺盛、学習、根性
スキル
初級格闘術、気合溜め、龍旋脚
モンスター種:スライム
ネーム:ラム
使役者:風間 晴彦
レベル:2
戦闘力:E
魔法力:D+
信仰力:E
生産力:D
成長力:B+
特性
溜水、給水
スキル
水鉄砲、硬化水弾、粘液
モンスター種:マンドラゴラ
ネーム:マール
使役者:風間 晴彦
レベル:1
戦闘力:E
魔法力:C
信仰力:E
生産力:C
成長力:B
特性
特殊声帯
スキル
植物魔法
おお! 確かに皆のステータスも見れた。しかもマールも載ってるし。しかしモンスター種がマンドラゴラ……確か抜くと叫び声を上げるとされてる伝説上の生物だよな。
だけど、実際は叫び声なんて上げてないし可愛いものだ。気になるとしたらステータスの特殊声帯かな。とは言え植物魔法というのは中々凄い気がする。
しかし懐いてくれるとテイムされたことになるんだな。個人的にはそれが一番驚きだ。
「マールも俺に使役されているようだな」
「マ~♪」
俺がそう呟くとマールが嬉しそうにすり寄ってきた。喜んでくれているなら何よりもでもある。
「マールちゃん魔法が使えるんだね。凄いすご~い」
「マ~♪ マッ!」
秋月が両手で持ち上げて褒めると、マールが嬉しそうにそれでいてどこか得意気でもあった。
「モコとラムもすごいぞ。しっかり成長してレベルが上っているし、モコもラムも新しいスキルを覚えている」
「ワン!」
「ピキィ!」
俺の話を聞いてモコはその場で型を決めて見せ、ラムは飛び跳ねてはしゃいでいた。これで何かあってもある程度は戦えるかな。勿論戦いにならないで済むならそれが一番なんだけどね。
「風間さんのステータスはどうなんですか?」
「あぁ実は俺もジョブレベルが上がっていて、スキルも新しく覚えていたんだ」
「凄い! 流石ですね」
「ハハッ、でも山守さんのおかげもあるかな。道場で鍛えてもらったのも大きそうだから」
新しく技を覚えたのも、道場で色々教わった影響もありそうなんだよな。
「お父さんとの稽古が少しでも実になったなら嬉しいな」
「少しどころじゃないよ。今度お礼にいかないとってスマフォが――」
ブルっと震えたので出てみた俺だけど――
『おう出たな。これは風間の番号であってるよな?』
「はいそうですが、その声はギルドマスター?」
驚いたことに着信は小澤マスターからのものだった。
『朝から悪いな。実は色々と聞きたいことがあってな』
「そうだったのですね。それなら丁度よかったかも。実は新しい仲間が増えたのでそれは申請しないと駄目ですよね?」
『仲間だと! まさかまたモンスターをテイムしたのか?』
「はい」
『それは――可愛いのか?』
「それはもう、とても可愛らしくてヤバいです」
『ヌォオッォォオッォオオオオ! 辛抱たまらん! よし! すぐに行く!』
「へ? 行くって,来るということですか? でも検査とかあるのでは?」
『丁度視察も必要だと思ったからな。検査担当も直接連れて行く! 待ってろよ! さぁ、こうしちゃいられないぞ!』
そして通話が途絶えた。ま、まさかギルドマスターが来てくれることになるなんて思わなかったんだけど、どうしようかな――




