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親友に裏切られ婚約者をとられ仕事も住む家も失った俺、自暴自棄になり放置されたダンジョンで暮らしてみたら可愛らしいモンスターと快適な暮らしが待ってました  作者: 空地 大乃
第三章 放置ダンジョンで冒険者暮らし編

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第111話 起死回生の一撃

「ラム!」

「ピキィッ!?」


 ホブゴブリンの棍棒が今まさにラムに振り下ろされそうになっていた。助けようにも間に合う距離じゃない。

 

 どうする何か手は!


「マァ!」


 その時だ、マールの声がしたかと思えば地面から蔦が伸びてきて俺の両耳を塞いだ。他の皆も似たようなことになってるようで戸惑いの表情を浮かべていた。


『――――!』


 マールを見ると大きく口を開いて何かを叫んでいる? 直後蔦が離れ音が聞こえるようになったわけだが。


「見ろ! ホブゴブリンが耳を塞いで暴れてるぞ!」


 熊谷が叫んだ。俺も確認したが、確かにホブゴブリンが地団駄を踏むようにして暴れていた。肝心のラムはキョトンとしていた。

 

 良かった! 無事だった。でも突然どうしたんだ? いや、今のはマールが何かを叫んだ結果か。


 俺たちの耳を塞いだのは、マールの声の影響を受けないためということか。


「ピキィ~!」

「マァ!」


 ラムが我に返ったようでこっちに戻ってきた。するとマールも駆け出しヒシッと抱き合っていた。マールのおかげで助かったとラムもわかっているのだろう。


 ラムのことは良かったが、ホブゴブリンだってこのままというわけにはいかな。いや、むしろ今がチャンスだ!


「中山! 俺をホブゴブリンの頭上まで投げられるか!」


 中山に確認した。それが出来ればダメージを与えられるかも知れない。


「任せておけ。愛川のおかげでだいぶ回復出来たからな」

「でも無茶はダメだよ」

「何。これだけ回復できれば風間の一人や二人余裕だ」

 

 それはそれでとんでもないが、ありがたい。


「ホブゴブリンがパニックを起こしている間に頼む!」

「おうよ! 俺の筋肉に任せろ!」


 そして中山がやってきて勢いよく俺を担ぎ上げた。て、体勢が思ったよりもとんでもないぞ!



「ちょ、これで投げるのか!」

「頼んだのは風間だろう! 覚悟を決めろよ! うぉぉぉおおりゃぁああぁああぁ!」


 中山が俺をホブゴブリンに向けて投げつけた。ミサイルにでも括り付けられたようなとんでもない勢いで俺は飛ばされた。


 だが、中山のコントロールは素晴らしかった。俺の身はホブゴブリンの頭上に達したところで重量感が増した。このまま落下するのはわかりきっていた。

 

 俺は何とか空中で体勢を整え鍬を振り上げた状態でホブゴブリンに狙いを定める。


「ウォォォォオオ! 天・耕・撃ッ!」


 落下すると同時にホブゴブリンの脳天目掛けてスキルを発動。鍬を思いっきり振り下ろしてやった。


「――ッ!?」


 手応えはあった。ホブゴブリンは声にならない声を上げ、その膝がガクッと崩れるのを見た。そして俺が着地すると同時にホブゴブリンの巨体が傾倒し重苦しい音がダンジョンに響き渡った――

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